今回は、仕事でもっと効率的に成果を上げたいと悩んでいる方におすすめの本を紹介します。本のタイトルは『時間最短化、成果最大化の法則』です。仕事術の本はこれまでもたくさん読んできましたが、本書は単なるテクニックに閉じない内容であり、作者が実際に自分の会社で研修をして効果があったノウハウを持て余すことなく伝えている点が他と一線を画しています。
アプリではなくOSをアップデートせよ
本書のメッセージは、仕事ができるようになるためにはできる人の思考アルゴリズムに自分をアップデートすることと述べています。言い換えると、アプリケーションを鍛えるのではなく、それらを動かす心臓部のOSをアップデートせよということです。能力開発と聞くと、プレゼンテーション、エクセル、プログラミングスキルなどが思い浮かびますが、目の前の出来事に対してどんな思考回路で対応すべきか習得する方が成果は出ます。
今日は本書の中からおすすめの思考アルゴリズムを3つご紹介します。
ピッパの法則
1つ目はピッパの法則です。「ピッと思いついたらパッと行動する」ことを指しています。あなたはどんな順番で業務に取り組んでいますか?よくあるのは、重要度/緊急度を軸にしたマッピングです。緊急度の高いタスクを終わらせつつも、重要度の高いタスクにもリソースを割く、こんなイメージです。
しかしピッパの法則は、10分以内に終わるタスクはすぐに手を付けて終わらせることを指します。本ブログの「仕事が早い人」でもご紹介しましたが、意外とタスク管理というタスクが重労働なため、発生→タスク管理→実行ではなく、発生→実行のStepで仕事をすることをおススメしてくれている訳です。
仕事が早い人は、その処理速度が速いように思いますが、タスク管理などの成果を生み出さないアイドリング時間を極力短くしているだけだったりします。もし効率性に課題を感じている場合は、業務に取り組む順番を変えてみても良いかもしれません。
欠落的欠点の法則
2つ目は欠落的欠点の法則です。どれだけ能力がある人でも、一つの致命的な欠点があるだけで信頼されず、成果を上げられないことがありえます。例えばケアレスミスです。誤字脱字が多かったり、仕事で抜け漏れが頻繁に起こる人と仕事をしたいと思う人はいません。しかし、大抵の場合、ケアレスミスが続くことを理解していなかったり、ひどい場合は自覚していても問題と捉えていない場合もあります。
少しでも自覚がある場合は、単純に確認する時間をタスクの中に入れ込むことを本書ではおすすめしています。他の人は確認する時間も含めて仕事をしているのに対して、ケアレスミスが多い人は確認する分の仕事をさぼって他人に丸投げしているわけです。
また、本書では弱点力カテゴリーシートを紹介しており、欠落的欠点のリスト化をしてくれています。私自身もまだまだ意識しなければならないポイントがいくつか見つかりました。このシートを活用して、チーム内でお互いにフィードバックし合うと能力アップの底上げにつながりそうです。
肯定的イメージコントロールの法則
3つ目は肯定的イメージコントロールの法則です。言霊という言葉があるように言葉には力があり、時にそれは意図しない方向に相手をコントロールしてしまうことがあります。
例えば「赤いカラスをイメージしないでください」と言われると、逆に赤いカラスをイメージしてしまいます。普段の仕事でも同じで、「〇〇をするな」と言われるとそれをやらかしてしまうイメージが浮かんでしまい、そのイメージが実現してしまう可能性が高まります。
人は勝手に言葉のイメージに引っ張られるならば、否定的な言葉ではなく肯定的な言葉をかけるべきです。「〇〇するな」ではなく「〇〇して」とポジティブな声掛けを意識する必要があります。
まとめ
本書は紹介した以外にも合計45個の思考アルゴリズムを余すことなく紹介してくれています。課題の原因に飛びつかない理由や人から嫌われることを良しとする考え方など非常に学びが多いです。あなたにとって今まさに必要な思考法が手に入るかもしれません。是非手に取ってみていただけると嬉しいです。