今回はおすすめの本をご紹介します。頑張って仕事に取り組んでいるんだけど、成果も出ないし楽しくないという方や、自分の強みを活かした仕事をもっとしたいと感じている方に特におすすめの一冊です。本のタイトルは「岩田さん」です。岩田さんとは、本名が岩田聡さん、任天堂の元社長を務めた方で、人気ゲームソフトのMOTHER2や大乱闘スマッシュブラザーズを開発した、日本有数のプログラマーでもあります。残念ながら、2015年に亡くなってしまったのですが、この本はそんな岩田さんの仕事観が、読者を包み込むような優しくて温かい言葉でつづられています。今日は、本の中から、仕事で楽しく成果を上げるために、重要と感じたポイントを3つお伝えします。
面白いと感じる力
一つ目は、「仕事が面白いかどうかは自分が何を楽しめるかの枠の広さで決まる」です。
岩田さんは仕事で成果を上げ続ける天才の定義を、人が嫌とか疲れることを延々に続けられる人と言います。
もちろん、得意だから面白く感じるように、自分のスキルが高い領域と相関性はあると思いますが、面白いと感じられる幅を広げる観点は大事です。
私もVoicyという音声メディアで毎週音声コンテンツを配信していますが、コンテンツを作ることも、定期的に話したこともそれまでありませんでした。
ただ、世にないものを作る楽しさは昔から持っていていました。バンドでオリジナル曲を作ったり、仕事でも組織で誰もやったことがないことにチャレンジする時間は非常にワクワクします。継続して音声コンテンツの配信を続けていると、社内ではコンテンツを作る人と認知をされて、さらにコンテンツ作りのお誘いを受けるという好循環に入ることができました。
面白いとまでは感じなくても、嫌いではないぐらいの仕事をまずはやってみるのはいいかもしれません。
自分を褒めて伸ばすための環境作り
二つ目は、褒めてくれる人の側で仕事をするということです。
岩田さんがプログラミングを極められたのは、作ったプログラムを見せるといつも喜んでくれる友人がいたからだそうです。
どんな人だって人から感謝される力を持っています。ただ、環境によってはその力を認めてもらえないことがあります。私が以務めているビジネススクールで個別相談をした受講生の方は、数年の間、上司と折りが合わず、ほとんどパワハラに近い形のコミュニケーションをされたそうです。自分から異動を申し立てて、別のチームに移ったところ、これまでとまったくアクションを変えていないのに、いろんな人から感謝をされて、評価も上がったそうです。しっかり、今いる場所で結果を出すことがもちろん重要ですが、どうしても難しい場合は、自分が輝ける場所を探すのも一つの選択肢です。
当事者意識を持つために
最後3つ目は、「次もあいつと仕事がしたい」と思われるべく行動するです。
そのためにも、常に当事者意識を持って仕事に挑むことが大事と岩田さんは言います。
私はビジネススクールの受講生のキャリア相談をする時に、仕事のやりがいを感じられないという悩みをよく聞きます。手触り感のある仕事がしたいと思う人は多いですが、そのためにはその仕事の中に深く入って、当事者として動く必要があります。
ただ、どんなプロジェクトでも当事者になれるわけではありません。当事者になりたい領域をアピールしたり、自分が本当に課題だと感じる領域についてはあらかじめ情報収集をしておかないといざという時にプロジェクトの中心に入ることはできません。
私も普段からコンテンツ作りをしていることを社内で定期的に発信する、社内の役職が上の方と話をする時は自分が考える課題を伝えることで、当事者意識を持てるような仕事が増えてきたように感じます。
まとめ
今日は、岩田さんという本の中から、楽しめる枠を広げる、褒めてくれる人の近くで仕事をする、次もあいつと仕事がしたいと思われるための当事者意識について話をしました。
その他にも、任天堂の経営哲学や、判断するときの軸、不公平と感じてしまうメカニズムなど、たくさんの気づきがあります。ぜひ、手に取っていただけると嬉しいです。