今回は「感動」がテーマです。
突然ですが、ここ一ヶ月で感動したことは何ですか?と問われたらどう答えますか?
- 〇〇という映画に涙した
- 応援していたチームが劇的な勝利をあげた
- とあるホテルでのサービスがとても親切だった
人によって様々あると思います。
ひとに感動を与えるものは価値が高く、価値が高いがゆえにそれを提供している方の報酬は高いことが多いと思います。
ビジネスパーソンとして働く上で、営業であっても研究開発であっても感動を生み出せるひとは希少価値が高くなくてはならない存在です。
では、どうすればひとは感動するのでしょうか?というより、どうすればひとを感動させることができるのでしょうか?
映画は総合芸術
こんな時は、映画の世界から学ぶのが個人的には良いと考えています。
映画は音楽、演技、映像など要素が多く、総合芸術と呼ばれており、感動をさせるためのヒントが詰まっています。
私はよく映画の本編を見終えた後に、メイキング映像まで見るのですが、いくつか感動のヒントを得ました。
クリストファーノーラン監督の狂気
例えば私が大好きな映画にクリストファーノーラン監督の「ダークナイト」のメイキング映像の中で、2秒のシーンを一ヶ月かけて撮影した裏側を密着していました。
悪役のジョーカーが味方にロケットランチャーを放つと同時に、主人公がロケットランチャーに向かって車で突っ込んで阻止するシーンは、実際に役者が演じるカット、同じ状況を模型でそのまま再現したカット、実際に車を爆発させるカットを瞬時につなぎ合わせていました。
観ている側は実際にロケットランチャーを発射していると錯覚するほどリアルな映像なのですが、その裏側にはこの2秒に1か月かけて三つの撮影を行った入念な準備があってこそでした。
クリストファーノーランはとにかく本物にこだわる監督で、映像技術が進歩し普通だったらCGで表現するシーンも実物を使っていて、病院を爆破するシーンやトラックを一回転させるシーンも実際に一つ建物を爆破していますし、トラックも実際に一回転させています。
スタンリーキューブリック監督の狂気
またスタンリーキューブリック監督の名作ホラー映画「シャイニング」では、実際に撮影したカメラマンの副音声付きの本編動画が特典でありました。
NG回数が圧倒的に多いので有名なキューブリック監督はとことん役者を追い込んで、シャイニングでは平均40回ほどNGを出しています。
しかしその追い込みによって、これまで役者にはなかった邪悪な部分も含めて引き出しているそうです。
またシャイニングのヒロイン役シェリー・デュバルについて、あえて美女ではなく絶妙に襲いたくなるキャスティングをしたとのことでした。本作の終盤にかけての怒涛の展開をするために彼女は不可欠なピースだったとのことです。
感動させるための尺度
ダークナイト、シャイニングは今見ても感動を与える凄まじい作品です。
これをやれば感動させられるという絶対的なものは存在しませんが、感動をさせるための尺度は「どれだけ事前にこだわり抜いたか」だと思います。
映画でもスポーツでも音楽でも、素人には気が付かないレベルで圧倒的なこだわりを持って準備をしているからこそ感動を生んでいます。
今取り組んでいる仕事においても、クライアントやお客様に対して、どこまでこだわるかという話と重なります。
私が好きな著者 高松智史さんの書籍「コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト」の中でも一言にGoogle検索をすると言っても、10ページ分を検索するなど、ある意味狂気じみた行動が必要とありました。
私も毎週、会社概要を説明するスライドのブラッシュアップミーティングをしていますが、やはり細部までこだわったスライドほど相手に伝わっている感覚があります。
時間は有限なので、すべてにこだわりを見せるのは難しく、どこにこだわって時間をかけるのかはある意味センスの領域にはなってしまうのですが、これは頑張ってみたいとびびっと来たら、あえていつもより丁寧にじっくり時間をかけて向き合うことをおすすめします。
長い間社内で放置されてきた事ほど、じっくり考えた人は少なく、感動を生む仕事につながる可能性があります。
是非、こだわりのポイントを見つけてみてください。