タイパ(タイムパフォーマンス)至上主義

皆さんはタイムパフォーマンス(略してタイパ)という言葉をご存じでしょうか?
同じ時間をかけるのであったらより有意義に過ごしたい若い世代の間で流行っている言葉で、コストパフォーマンスの時間版のイメージです。

最近、ネットフリックスの映画を倍速で視聴したり、映画を10分のダイジェストでyoutubeに投稿して訴訟になるなどNewsにもなりました。(参考 書籍「映画を早送りで観る人たち」)
私自身、映画が大好きで、沈黙も含めて作品を楽しみたいと考えていますが、いわゆるZ世代と呼ばれる10代20代の中で別の価値観が生まれているようです。
自分の価値観と違うと感じる人もいるかもしれませんが、若い世代の価値観を知ることは、ビジネスを考える上でも大切ですし、将来一緒に働く仲間として迎え入れるという観点でも重要かと思います。

今日は、そんなタイパを意識する人の特徴や背景、また最近のコンテンツの特徴についてお話します。

共感強制力が強い

四六時中SNSやLINEでつながっていて、お互いに流行のコンテンツの情報が飛び交っている状況のようです。そして、ネットフリックスやアマゾンプライム、youtubeなどの動画配信サービスですぐに作品を見れてしまいます。グループも一つではなく複数あるのでそんなやりとりが毎日あると、急いで内容を確認しないといけなくなります。グロービスにインターンとして勤務する大学生にもヒアリングしてみましたが、そんな人は多いとのことでした。
会話のないシーンは15秒スキップをしたり、つまらない映像の場合は2倍速で流し見し、詳細はWikipediaで確認する。コンテンツを楽しむというよりは、情報として話についていけるように確認するという意味合いの方が強いのかもしれません。

オタクになりたいニーズ

最近はオタクになりたいニーズも増えているそうです。ひと昔前までは、オタクと聞くと少し近寄りがたいイメージがありましたが、小学生からのキャリア教育の一環でOnlyOneを目指す志向が強まっているようです。手っ取り早く唯一無二の存在になるためにも、いろんなコンテンツを吸収する動きが強まっているのかもしれません。

膨大な時間を趣味に活用するからこそマニアという印象でしたが、それを時短で効率的に実行するためにタイパを意識する人が増えているとも言えます。
私もつい先日映画を好きな人と好きなシーンについて語りましたが、もしかすると今後はストーリーなど話の中身中心に語り合うようになるのかもしれません。

コンテンツ提供側も分かりやすくなっている

子どもを持つ親へインタビューをする中でも、最近の小学生は映画を最後まで見れないと聞きました。
スマホやタブレットで映像を見る習慣があるため、つまらないと感じるシーンは指一本で平気で飛ばして見ていることが原因かもしれません。

それに対してコンテンツを提供する側も工夫しています。
倍速で見てもわかるように、鬼滅の刃では主人公が自分の状態を説明しているシーンが目立ちます。雪の中を走りながら「息が苦しい、凍てついた空気で肺が痛い」と言っていたりします。
ネットフリックスの映画も、データの中でどこで離脱したのかなどを分析して、開始6分までに事件を起こす(人が死ぬことが多い)など脚本にも影響がでているようです。

まとめ

今日はタイムパフォーマンスを意識するZ世代について考えました。共感強制力、オタクニーズ、コンテンツ提供側の変化など、テクノロジーの進化に合わせて、価値観や行動様式まで変化があるようです。逆にデジタルミニマリストといったテクノロジーとは逆光する考えなども広まっており、自分の価値観と違うから拒否するのではなく、新しい価値観を押さえたうえで、いろんなことにチャレンジしていきたいなと思います。早速TikTokも利用していますが、あまりのめり込める感じがしません。自分もおじさんになっているんだなとひしひしと感じます。

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