マリン首相「流出ダンス動画」に学ぶ選択理論

今年の9月頃、フィンランドのマリン首相が友人たちと踊る動画が流出し激しい批判にさらされました。はしゃいだ様子から野党が「薬物を使用しているのではないか?」と批判が上がり、首相が薬物検査をする事態にまで発展し、結果陰性でした。しかし、その後も踊っている様子が首相らしくないといった批判が続いています。

一方で、女性を中心に首相を擁護する声があがり、自らのダンス動画をあげるひとが多数出てきました。女性たちが首相を支持する背景に、女性差別に対する反発があると思います。女性かつ若い首相は、日本に比べて女性進出が進んでいる欧州でも珍しく、これまでの首相とはこうあるべきという価値観を持った人から批判の対象になりやすいです。

個人的には、首相がダンスを踊ることがニュースになること自体に疑問を覚えてしまいます。批判する人、それを擁護する人、どちらが正しいかをお話ししたいのではありません。

今回は首相のダンス動画を見た人が、その後どんな行動を選択するのか?について、選択理論の観点から考えます。

選択理論とは?

選択理論は、アメリカの精神科医グラッサー博士が発表したもので、全ての行動は自らの選択であると考える心理学です。

選択理論では、人間は行動するまでに3ステップあると考えます。

  • 刺激を受ける
  • その刺激を処理する
  • 処理した情報を元に行動を決める

この3ステップです。

この際に重要なことは、受けた刺激に対して瞬時に反応するのではなく、その刺激を処理する時間を設けることです。刺激にただ反応してしまうのは、幼さすら感じてしまいます。

子供の発達段階を測るテストがあります。子供と母親がいる部屋で、母親は鍵を本棚の引き出しに入れ、母親だけが部屋を出ます。次に父親が部屋に来て、本棚の引き出しの鍵を食器棚の中に移動し、父親だけが部屋を出ます。次にまた母親が部屋に入ってきた時に、母親はどこに鍵を探しに行くでしょう?当たり前ですが、母親は本棚の引き出しに探しに行きます。ただ、客観的に情報を処理できない子供は、自分の視点のみで瞬時に判断してしまい、食器棚に鍵があるのだからそちらを探しにいくはずと考えてしまいます。

子供化に要注意!

これは子供のお話に聞こえるかもしれませんが、近いことがこの動画批判に起こっていると思います。 

動画にすぐに反応して批判をしてしまう。今の時代、若い女性がダンスするくらい普通かな?私の思う首相のイメージを時代錯誤してないかな?など、情報処理の時間を作る必要があります。

皆さんの職場でも同じことが起こっていませんか?

私も異動したてのチームミーティングで、瞬時に発した自分の発言から、周りの反応がよくないなと感じたことがあります。後でメンバーに聞くと、私は前のチームの視点で発言してしまったことがわかり、反省しました。

ただ、大人になると真正面からフィードバックしてくれる人は少なくなります。

耳の痛いフィードバックをしてくれる人は大切にしつつ、自分で気づけるように、普段から周りの反応を見ておくことが大事です。何か人間関係がうまく行っていない場合、自分は考える時間を取れているか?情報にすぐ反応していないか?は意識したいです。

基本的に、意識していただきたい方は、新人というよりは、目上の人間や経験のある人間から、きちんと自分の言動を振返りをする必要があります。ボールが道路に転がると、周りを見ずに飛び出す子供に、親が車が来ることを助言してサポートするように、リーダーや目上の人間は情報を処理する力が長けている必要があります。

まとめ

今日は、マリン首相のダンス動画から、情報に反応せず、しっかり考えてから行動を起こす重要性の話をしました。考える力を養い、周りをよく見て自分にフィードバックできるようになれば、自分も周りもどんどん良い関係が作れると思います。今一度振り返るきっかけになれば嬉しいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA