メタバースやWeb3という言葉が流行語となっていますが、実態をよく知らない人も多いと思います。私自身、メタバースに詳しいわけではなく、書籍やニュースなどで情報を仕入れている身ではあるのですが、個人としてこのような新しい技術への接し方について気を付けたいことがあったのでお話します。
私の知識不足は、國光宏尚さんの書籍「メタバースとWeb3」と、伊藤穰一さんの書籍「テクノロジーが 予測する未来」の内容で補完しながらお伝えします。
先日、行きつけの美容室のオーナーさんとお話をしていた時に、急に「メタバースとか詳しい?メタバースでお金儲けしないかって営業受けてて」と質問を受けました。
確かに、ニュースでもNFTアートが高額で落札された、みたいな話をよく聞くのでお金儲けの話として営業されるのは分からなくもないです。
ただ、メタバースやWeb3といった新たな技術に触れる時に、どんどん自分で使って理解していくのは良いと思うのですが、自分の思考を介すことなく、安易に今回の営業さんのような他人の口車にのるのは避けた方が良いと考えます。
メタバースをイメージできるおすすめ映画
そもそもメタバースは何かを考えます。メタバースの世界観をイメージするために、スティーブンスピルバーグ監督のレディプレイヤー1という作品が分かりやすいです。
レディプレイヤー1は、自分の姿をアバターに変え、色んな理想を叶えることのできるVRゲームの世界「オアシス」を舞台にしています。オアシスではレーシングの大会などゲームはもちろん、自分の好きな家や車を買ったり、仕事に就いたり、恋愛したりと、バーチャル上でもう一つの世界が広がっています。メタバースの意味として「メタ(meta)」は「超越した」「高次の」という意味で、「バース」は「ユニバース(universe/宇宙)」を組み合わせた造語なので、まさしくその世界観を可視化した映画となります。
書籍「メタバースとWeb3」での解釈では、映画レディプレイヤー1の世界の実現に向かって、以下の三つのアプローチがあるとのことでした。
- ゲーマーを取り込む
- タブレット&PC市場を取りに行く
- ポストスマホを狙う
補足:個人的にはフリー・ガイという映画もイメージを膨らませやすいのでお勧めです。
メタバースで金儲けはできるのか?
ではこの世界で金儲けを目的に参入することは可能なのかについて考えます。結論として金儲けの可能性は十分あると思います。デジタル情報でも唯一無二のものであると証明できるNFTの技術が発達したことで、NFTバブルと呼ばれるように一枚のデジタルアートの価値が上がることがあります。
ただし、ここで重要なのは、その技術ではなく、Web3やメタバースの広まりの背後にある文化的背景を押さえることだと思います。
技術が進化し、コロナによって時代が加速し、中央集権から自由を手にする思想が広まったことで、急拡大していると書籍では語られています。つまり、これまではGAFAと呼ばれるような巨大プラットフォーマーが支配していた時代から、いわゆる北米のヒッピー文化の広まりのように、誰にも縛られることなく、自由に平等に生きたいという文化の強まりがこの技術の思想の裏側にあるわけです。
この世界ではお互いの持ち物もすべてOPENになるのが基本のため、例えば自分の財布の中にお金儲けのためのNFTアートがたくさん入っているとそれを見た人から「金儲けのことばっかり考えててダサい奴」とみなされる可能性があるわけです。冒頭の金儲けの営業さんの話は、そもそも胡散臭いというのはもちろんですが、文化的背景を考えるとそぐわない危険性も合わせてあることを理解した方が良さそうです。
まとめ
今日はメタバースやWeb3の文化の話から、新しい技術が到来したときに、背景まで自分なりに思考する、そして情報を取りに行くことの重要性を考えました。とは言え一番は自分で実際に触れてみることが大事です。新しいバーチャルの世界がもう一つできるということは、ビジネスチャンスも急拡大します。世界観に取り残されないようにアンテナをはっておきたいですね。まずは新しく発売されたオキュラスクエスト2に触れるのも良いかもしれません。