今回は私が大好きなラグビーをテーマにお話をできればと思います。5/20(土)に日本ラグビーの最高峰リーグワンディビジョン1の決勝戦パナソニックワイルドナイツvsクボタスピアーズの試合が行われました。
結果は、17対15で、前回王者のパナソニックを破ってクボタが初優勝で幕を閉じました。
手に汗握る素晴らしい試合だったのですが、この試合からビジネスパーソンとしてとても大切な戦略やリーダーシップの要素がたくさん詰まっているなと感じました。
今日はその中から3つに絞ってお伝えしてまいります。
- 戦略を実行しきる
- 自滅しない
- リーダーの振る舞い
間違った戦略でも最後まで実行しきれば強い
1つ目は、最後まで戦略を実行しきる重要性です。
両チームとも両極端に特徴があるチームで、パナソニックはリーグ最少失点のディフェンスチーム、対するクボタはリーグ最多得点のオフェンスチームでほこたて対決でした。
前半からパナソニックはディフェンスで素早い出足でプレッシャーを与えるのに対して、クボタはディフェンスの裏側へのキックをするパターンが何度かありました。
私もプレーヤー時代に経験があるのですが、思いっきりディフェンスで前にプレッシャーをかけた後に後ろにボールを蹴られて全力で戻るのはかなりしんどいものです。
ラグビーは局面局面でトレードオフのスポーツです。
「誰かがキックが来るかもしれないから圧力をかけるのをやめておこう」と誰かがサボるとそこから崩れたりします。
ただ、パナソニックのプレーヤーは最後までディフェンスで前に出てプレッシャーをかけ続けていました。全員が戦略を信じて意思疎通されていていたように感じます。
パナソニックのラスボスと呼ばれる日本代表の堀江翔太さんの書籍「ベテランの心得」の中にも、素晴らしい戦略でもメンバー全員が信じて実行しない場合と、ダメな戦略でもメンバー全員が信じて実行している場合だと後者の方が強いと言っていました。
圧倒的な攻撃力を誇るクボタの攻撃を17点で抑えられたのは、この戦略的な攻めのディフェンスをチームメンバー全員が実行しきったからだと思います。
敗因は自分たちにある
二つ目は自滅しないことです。
ただ、残念ながらパナソニックは攻撃の時にたくさんミスをして自らチャンスを失っていきます。あと一つパスがつながれば得点につながったシーンも何度かありました。
もちほんクボタのディフェンスのプレッシャーもあったとは思いますが、自滅に近い形でペースを掴めなかったことが敗因の一つに思います。
ビジネスシーンでも自滅するシーンは多々存在します。
買収した会社がうまく機能しなかった、新商品が炎上したなど分かりやすい例もあれば、日常の些細な取り組みが自滅につながるパターンもあります。
例えば良かれと思ってメルマガ施策を進めたとします。メールの開封率が高かったとしても実は営業メールがきてうざいと思われていたり、そこまでではなくてもメールを作成する稼働を長期間使ってしまってチームが疲弊するなんてことは実はかなり起こっています。
スポーツは結果がすぐについてくるので修正のしようがありますが、ビジネスシーンでは気づかない自滅パターンが多いです。定期的に振り返る、あえて一度やめてみて効果が下がらなければ思い切って捨てる、始める前にどうなったら継続するか決めるなど工夫が必要です。
組織の器はリーダーの器で決まる
最後三つ目はリーダーの振る舞いです。
クボタの立川キャプテンは誰よりも身体をはったプレーが持ち味の選手ではあるのですが、それに加えて、試合後の振る舞いを見て、このチームの強さを感じました。
クボタは創部以来はじめての優勝。勝利が決まった瞬間はほとんどの選手が歓喜し、喜びを爆発させていました。
ただ、立川キャプテンは優勝が決まった直後にレフリーの元へ行き挨拶をし、その後は相手チームの元へ駆け寄り握手をしていました。初優勝の瞬間にも関わらず、相手を想った行動をいの一番にとっていたのです。
「(一緒にゲームを作る)レフリーや対戦相手をリスペクトするのがラグビー。そう思ってきました」と語っているインタビュー記事を読み、どんな時でもブレずに行動で示すリーダーだからこそチームがまとまり結果を残したのだと感じました。
リーダーシップスタイルは組織やその人の特性によって色々ありますが、一貫性を持つことは共通して大切なことだと思います。立川選手からリーダーシップの在り方を学ばせていただきました。
まとめ
今日はラグビーの試合から、戦略を最後まで実行し切る、自滅しない、リーダーの振る舞いについて気づきをお伝えしました。
今年は、ラグビーワールドカップ がフランスで9月から行われます。前回の日本で行われたワールドカップ 2019ではベスト8進出の大活躍でした。
今年はどんなラグビーを魅せてくれるのか。日本代表の活躍が今から楽しみです。