上司の文句を言ってしまった時に考えたいこと

今日は文句を言ってしまう時の注意点について考えていきます。
「あの上司は何もわかっていない」とか「上司の言っていることがちぐはぐだ」など上司への文句を反射的に言ってしまったという経験はないでしょうか?

こういう自分も特に若手社員の時ほど、しょっちゅう文句たれになっていた気がしますが、最近は昔よりは一呼吸おいてから、こういう意図があるかもしれないと反射的な文句を言う機会が減った気がします。

昔と今とで変わったのは、シンプルに能力が上がったからだと思います。
ここで言う能力とは、視座の高さや、視野の広さ、物事を自分視点だけでなく相手視点も交えて構造的に整理する力など様々な要素が入っています。

よくある文句を言う瞬間

能力がないと目の前の一点だけを切り取って文句ばかり言ってしまうことになります。

例えば既存顧客の営業担当者が上司から急に新規開拓の営業をするようにと指示を受けトライしてみるも結果が出ない時に、上司は全く分かっていないと言ってしまったとします。

しかし実は、戦略目線で考えるとそのエリアは新規顧客ポテンシャルが大きい場合もあれば、実は部下の成長のために今のうちに新規営業の経験をさせたい意図もあるかもしれません。

この場合は、上司は長期目線で物事を見ていたのに対して短期目線でしか見れていないことが文句の原因ということになります。

上司も完璧ではないのですべてをきちんと説明してくれませんし、むしろそこも考えて動いて欲しいという期待の表れの可能性もあります。

人間は自分の思った通りに好き勝手解釈してしまう生き物です。

同じミーティングに出席していても能力がある人とそうでない人の掴んでいる情報量は全く違います。

「頭のいい人が話す前に考えていること」という本にも「事実、感想、意見に分けて話を聞きながら整理できると良い。」と記載がありましたが、これができない人は本当に多いです。

では、文句たれにならないためには何を意識すると良いのでしょうか?
個人的には単純ですが、一つ上、二つ上の役職の視座に立つと良いと考えています。

具体的はアプローチを2つ紹介します。

一人ディベートの威力

1つ目は、自分が良いと思う方法と全く逆の反対意見を検討することです。

文句があるということは自分なりにはこうした方が良いという考えがあります。

ただこの状態だとただの感想レベルな場合が多いので、反対の意見同士を自分の中で戦わせる1人ディベートをやります。

反対意見を出しても自分の案が正しいと言えるところまで深堀できると、自分のアイデアに深みが出ます。ここまでくると、感想の状態から意見に昇華できた状態と言えます。

あなたの周りのできる人も会議中に誰かに反論された時に、「その方法も考えたのですが〇〇という理由で今回は採用しませんでした」というようにスピーディーに返しているのではないでしょうか?

文句を垂れるのではなく自分の意見を通して道を切り開いていると言えます。

またこれは瞬発力が高いのではなく、自分のアイデアの反対意見も自然とシュミレートしているからできたのです。

寸劇をビジネスに取り入れる

二つ目はその施策を仮に進めた時にどうなるかをありありとイメージするです。

施策を意思決定する時は瞬間的に決まりますが、実際にはその後施策を動かす時間軸の広がりがあります。

実際に進めてみると思ったよりも時間やお金がかかったり、思ったほどの効果がなかったということもよくあります。
ここで反対意見がある人もいると思います。

スピーディーに意思決定して素早く試すといういわゆるアジャイル開発的な手法をした方がいいのではないか?という指摘です。

その指摘もふまえて、かなり短時間でその施策を進めた場合のイメージを具体化できる手法をお伝えします。
その方法は寸劇です。

これは私の尊敬するマーケッターの先輩から教えてもらった手法なのですが、ある施策を思いついた時に実際にそれを超簡易的に再現したものを作成し、利用者になり切って寸劇をし、どう思うかを素直に考えるというものです。


私が実際に行った寸劇を例にお伝えします。

私が勤務するビジネススクールの教室や廊下の壁に書籍を並べて受講生同士の会話の活性化を狙った施策を考えました。

実際にいくつか書籍を並べてみて、受講生になり切って教室に入ってみます。

これをするだけで、視線は基本的に進行方向を向いているので机に平置きだと見ないとか、受講前の心理状態として自分が受けるクラスのことを考えているのでそれに関連する書籍だと手に入るなど具体的な指摘ができます。

寸劇を行うことで、書籍の設置位置やそもそもどの書籍を選ぶべきかなど重要な気づきを得ることができました。

アプリの開発であれば手書きの紙で画面に見立てて作って寸劇しても良いですし、動画コンテンツなら自撮りしてみてそれを後で眺めるでもなんでも活用ができますので、ぜひ一度試してみてください。

まとめ

というわけで今日は能力がないと文句垂れになってしまうことをテーマにお話をしました。こうならないためにも視座を上げる、視座を上げる方法として反対意見を出して1人ディベートする、寸劇の方法をお伝えしました。

ただし、自分なりに思考して、どう考えても上司の意見がおかしいと感じる場合もあるかもしれません。基本姿勢としては自分にベクトルを向けて考えるべきだとは思いますが、上司も完璧ではありません。

しっかり上司の意見と自分の意見をすり合わせをして確認する必要があります。

上司がおかしい場合は、その上司の能力がないか、上司が会社のためではなく自分のための意思決定をしているか、もしくはその両方の可能性があります。


上司に従わざるを得ない場面も多々あるとは思いますが、自分なりの意見はしっかり持ち続けたいものです。

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