- 「仕事が上司や先輩からの指示をこなすだけでつまらない」
- 「自分の頭で考えてと言われても何をもって考えたと言えるか分からない」
同様の悩みに直面している人や、そんな悩みに直面している指導する立場にいる人は多いと思います。
実際に、私も同じ悩みにぶち当たり、色んな方に叱咤激励をうけながら自分でもMBAや書籍などを通して勉強をした過程で自分なりの型が身に付いたように思います。
考えるとは何か?と問われてシンプルに回答するのは案外難しいものです。
色んな要素が複雑に絡まっていて、単純に論理思考力を鍛えればOKというものではないからです。
だからこそ、最初の悩みを持つ人はどう動けば良いか分からないですし、それをサポートする上司や先輩の立場の人もどうアドバイスすれば良いか分からないのです。
そんな悩みを解決してくれるステキな本に出合えたのでご紹介します。
榊巻 亮さんの世界で一番やさしい考え方の教科書です。
考えるための3要素
本書では考えるとは3つの要素「認知」「思考」「行動」のサイクルを正しく回すことであると定義しています。

考えると聞くと真ん中の思考の領域のみを想像しがちですが、実際にはその前に状況を正しく認知しなければ後の工程はすべて的外れなものになってしまいます。
本書の面白いところは、論理思考や構造化や顧客視点など、思考する際に重要とよく言われる領域について”洞察”という一言にまとめていることにあると個人的に感じています。
よく研修や書籍でもこれらの要素を取り上げているものは多いですし確かに大事なのですが、一要素だよなぁという感覚がずっとありました。
思考とはシンプルに二つの問いを繰り返すだけ
さらに思考部分もどんなテクニックが記載されているかと期待したら超シンプルに以下の二つの問いを意識すれば良いとありました。
- なぜそう考えたの?
- 具体的にどういうこと?
いわゆるクリティカル・シンキング的にはイシュー設定が何よりも肝という話なのですが、最初のイシュー設定は何でもよくて、その後の上記の二つの問いをすることでイシューが磨かれていくというシンプルな思考Stepは分かりやすさだけでなく、かなり効率的だと感じました。
育成に活用できる
私自身、本書は自分の思考法に活用するというよりも、育成にかなり活用できるという持ち帰り感が強かったです。
相手が、「認知」「思考」「行動」のどの工程でつまづいているのか?怪しいと思ったら「なぜそう思ったの?」「具体的にどういうこと?」を問いかけることで、自分の視点とのギャップを埋めるだけでなく相手の成長にもつながる気がします。
仕事の進め方に悩む人だけでなく、部下育成に悩む全ての人に読んでいただきた一冊です。