今日は優秀な若手社員を辞めさせないために必要なことを考えます。
「約9年の間に、若手キャリア官僚の退職者数が、43%増えた」というニュースを聞いて、自分の職場の若手は大丈夫か?と、ドキッとした方も多いのではないでしょうか。私の職場でも、年齢も若く、優秀な新入社員の方が多く入社する中で、ちゃんと自分は働きがいのある職場にできているか、考えるきっかけになりました。
なぜ若手社員が離職してしまうのでしょうか?リクナビネクストの調査によると、離職原因の第一位は、上司や経営者といった目上の人との人間関係だそうです。仕事を辞めたいなと思う瞬間は、多くの方が経験していると思いますが、そのほとんどはこういった人間関係にあるのではないでしょうか?海外の企業では、社員がメンタルダウンしてしまった時に、問答無用で上司の責任となり、何らかの対応をする場合が少なくありません。それほど、職場のリーダーには影響力があります。
それらを踏まえて、今日は優秀な若手社員を辞めさせないために、先輩社員目線で意識したいポイントについて考えていきます。
以前の記事でも紹介しましたが、特に若い世代は、タイムパフォーマンス、つまり時間に対する価値を非常に意識しているそうです。やる意義を感じられない仕事が続くと、優秀な若手ほど、すぐに働く場所を変えてしまいます。また、上司が本気で考えた指示なのかも部下は簡単に見抜くことができます。
リーダーは考え抜いた、真に効果のある打ち手・戦力をもとにメンバーに仕事を割り振る必要があります。
確信を持って仕事に挑む
先日、私が尊敬する管理職の方がこんなことを言っていました。「自分のKPIではないけど、絶対に効果が出ると確信を持った数字は本気で追う。例えば、上司から部下への提案資料のフィードバック時間を半分以下に減らすことに全力で取り組んだ」
フィードバックをたくさんすればクオリティが上がって受注につながるとチーム内で信じられていた中で、あえて逆のことを行いました。しかし、結果としてそのチームはこれまでで最高の営業成績を出しました。
フィードバックを減らすことで、上司に迎合しないメンバーのリーダーシップが育ち、変な気遣いをしなくなった分の時間を多くの顧客訪問に充てられたのが成果につながった原因のようです。
ただ、こうも付け加えていました。「フィードバックなしに任せられるかどうかは、メンバーの特性を考えて、慎重に判断する」
ある一定のスキルを越えるまでは、細かいフィードバックも行うそうです。
ケースバイケースの判断力
この話から、個人を把握すること、施策を考え抜く力と深い洞察力、そして任せる度量が必要なんだと思います。
私自身もつい、あまり深く考えずに過去のやり方をなんとなく踏襲していたり、部下や後輩に任せずにずっと自分でやり続けている仕事もあることに気づかされました。以前、Voicyで「誰にも負けない努力をする」というテーマ聞いていた時に、自分の努力だけでなく、周りが力を発揮するために自分が頑張れることにも目を向けたいと改めて考えさせられました。
また、著書「仕事に関する9つの嘘」の中でも、面白い実験結果の話があります。とある工場で、どんな明るさで作業をするのが最も良いか探るために、最初の明るさよりも明るい照明に変えて作業効率を測りました。すると、良い結果が出ました。明るい方が良かったと思っていたら、計測をやめると効果が下がったそうです。結局、人は見られていると感じると力を発揮する生き物。きちんと部下に対しては、優秀なメンバーであったとしてもほったらかしにせずに、いつも見ていることを伝えられると良いようです。
まとめ
今日は、優秀な若手の離職を防ぐために、意識したいポイントについてお話ししました。
ライフネット生命の創業者、出口 治明さんも著書 座右の書『貞観政要』の中で「リーダーの仕事は部下が元気に明るく楽しく行動する環境を作ること」とおっしゃっていました。そんなステキな職場にするために、私自身も日々意識し行動につなげていきます。