多様性VS組織文化

私はラグビーが大好きで2023年のフランスワールドカップも見に行こうが迷っている状態です。来年のラグビー日本代表も非常に楽しみです。日本代表と言えば、代表選出時に、日本代表34人と将来日本代表になる可能性を持ったNDSメンバー34人が選出します。2種類の招集を行うこの選考方法は前回2019年のワールドカップでも行っていましたが、今年ユニークだと思ったのは、日本代表とNDSメンバーの多様性です。決して1軍2軍のようなチーム分けではなく、ベテランと若手をブレンドさせたチーム編成にしていました。

もちろんベテランは若手に対して、スキル的なフォローをするという観点もあるとは思いますが、監督はベテランに対してチームの文化醸成をすることを期待すると2022年5月の会見で言っていました。トップレベルのアスリート集団でもスキルだけでなく、組織文化を大事にしていることを知りました。今回は、多様性を受け入れながらも組織文化を浸透させるために意識したいポイントについて、私の大好きなラグビーを題材にしながら3つお話します。

才能を爆発させるために

一つ目は、才能を生かす方法を考える です。

2019年のラグビーワールドカップで優勝したのは南アフリカなんですが、南アフリカで最も活躍した選手の一人、チェスリンコルビ選手は身長が170センチでした。通常ラグビー選手は身長は190センチ前後が当たり前の世界の中です。生の試合でコルビ選手を見たことがありますが、周りの選手に比べて一人だけ明らかに小さいのですが、一度ボールを持つとスピードを武器に次々と相手を抜き去る姿が印象的でした。

大きくて強い選手でごりごり攻めるのが南アフリカのイメージでしたが、コルビ選手は「小さな選手には、その分の大きなスペースがある」と言って見事にチームに貢献していました。

誰しも光るものがあります。自分のチームに馴染まない後輩がいる場合でも、組織になじませるのではなく、才能を生かすための方法を考えることが、組織のレベルアップにもつながります。

伸び悩んでいる後輩がいたら、思い切ってフィードバックの数を減らしてみるのも良い手かもしれません。

インプットの順番を間違えると大変なことに

二つ目は、最大の成長を目的としたインプットをする です。

自分ができるインプットの容量を水槽に例えてお話します。まず大きな石をめいっぱい入れて、次に小石、次に砂、最後に水を入れます。これが自分のできる最大限のインプット量としたときに、仮に入れる順番を水から入れていたとしたら、大きな石は数えるほどしか入りません。教える側も、細かいことばかり言っていないか?大きな石から伝える努力をしているか?を振り返る必要があります。

どうしても先輩になると、育成モードになってしまって、なんでもかんでも細かく伝えてしまいがちです。が、ラグビー日本代表の堀江選手も書籍「ベテランの心得」の中で、気になったことがあってもすぐに口を出すのではなく、愚直にプレーのみで背中を見せることで、他のメンバーを働きやすくするための空気作りを意識しているそうです。

言語化=共通認識化

三つ目は、組織文化を言語化してみる です。

難易度が高いですが、そもそも自分の組織はどんな特徴があるのかを言語化してみてください。大きなポイントをつかんでいれば仕事を進めることができるのか、細かいところまで把握して進める必要があるのか?コミュニケーションは文字だけでいいのか、電話やMtgもした上で進めた方がいいのか?など色んな切り口があると思いますが、まずは思いついたものから言語化してみます。その上でその組織文化は会社の戦略を進める上で必要なのかを考えます。場合によっては、環境が代わり、戦略も転換しているのに古い組織文化にこだわっている場合もあるかもしれません。戦略に合った組織文化であれば、納得した上で組織になじませることができます。最適化した組織文化をしっかり伝えたいところです。

まとめ

今回は、多様性を受け入れ組織文化を浸透させるために、3つのポイントをお話しました。才能を生かす方法を考える、成長を目的としたインプット、組織文化の言語化です。

強いラグビーチームは、チームのルールをしっかり守る規律がとれているのですが、誰かが急にトリッキーなプレイをした時でもしっかりと反応できると言われています。そんなバランスの取れたチーム作りに向けて少しでもヒントになればと思います。

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