就活はトライアンドエラーをPDCAに変換する作業

これを執筆しているのは2023年3月ということで、経団連に加盟している企業の新卒採用活動がスタートしています。

前職で採用活動を通して100名近くの学生の方々のエントリーシートの確認や、面接をしていたこともあり、毎年この時期になると就職活動に励む皆さんを応援したくなります。

多くの面接で、学生時代に取り組んだことを面接官にどのように伝えるかが重要なポイントになってきます。就活はいわば、学生と社会人の間にはいるクッションのようなものととらえることもできます。

そこで、今日は、私が採用活動を通して感じる、学生と社会人の行動様式の違いについて考えていきます。就職活動中の方はもちろん、就活なんてだいぶ前の話と思った方にも、働く上であらためて意識したいポイントについてお伝えします。

社会人と学生の違い

学生と社会人の違いを一言で言うと、トライアンドエラーで行動しているか、PDCA(つまり計画、実行、確認、次のアクションというサイクル)を意識して行動しているか、という見方ができると個人的に思います。

もちろん、学生の頃からPDCAを意識している方や、トライアンドエラーを高速で回して成果を出している社会人もたくさんいるので、あくまで採用活動の現場の一つの見方として考えていただければと思います。

学生のほとんどの方は、学生時代に頑張って取り組んだことをどう伝えるかに頭を悩ませます。アルバイトリーダーの話、部活・サークルで引っ張った話、研究や課外活動を頑張った話など、これまでしてきたことを思い出しながらエントリーシートを書いたのではないでしょうか。

私がこれらの学生の皆さんの話を聞いて感じるのは、どの学生の方も行動自体に大きな違いはないということです。自分の名前で特許を複数持っている、全国レベルで活躍しているなどの実績があれば話は別ですが、あまり多くないと思います。

就活で差別化するのは?

ではどこで差がつくのでしょうか?

私はトライ&エラーした経験をありのまま話すか、あたかもPDCAが回っているようにストーリーで語るかの違いではないかと思います。

例えば、売上の下がっている飲食店でアルバイトをしている学生のAさんを例にとります。

Aさんはデコレーションが好きという話を店長としていて、試しにお店のメニューをアレンジして、カラフルにデコレーションをしようと盛上ります。一度Aさんなりにデコレーションをしたところ、特にお客さんから反応もないので、最近流行りのキャラクターを活用したところ、お客さんの反応も良くなり、結果的に売上に貢献できました。と、こんな話です。

一見Aさんらしさも出ていますが、面接官から「ホントにデコレーションだけで売上に貢献できたと言えますか?」「メニューが綺麗になっても注文しないなぁ。接客とか他にも改善したから売上が伸びたのでは?」みたいないじわるな質問に耐えられるようにする必要があります。

ここでPDCAの出番です。

通常、Pから順番に考えますが、やった事、つまりDoは変えられないので、Doありきで、どんな流れでそのDoをしたのか整理する必要があります。

売上を上げる事が一番の課題をしたときに、例えば、リサーチをした結果、顧客満足度と売上の相関が高いことが分かっていて、接客、料理、清潔感の満足度は高い場合を考えます。値段を変えるのは悪影響もある場合に、残るは店内装飾への工夫へとたどり着きます。

あとは、自分なりのデコレーションというPlanを立てて行動(つまりDo)して、満足度が良くないというチェックをし、次に流行りのキャラクターのデコレーションというアクションを起こすというPDCAに当てはめることで、少し説得力が出たかと思います。

ただ、すでに勘の鋭い方は気づいていると思いますが、単純にPDCAに当てはめているのではなく、イシューを明確に言語化していたり、色んな前提を揃えたり、前裁きもかなり重要です。

つまり相手の目線に立って、いかに論理破綻していないか、見極める力が必要何だと思います。

まとめ

今回は就活を考えたときに、トライ&エラーからPDCAに変換することについてお伝えしました。仕事でも、時系列でやったことを相手に伝えても納得感を得られない場面が多々ありますが、ストーリー作りの参考になればと思います。これは、やってきた努力をしっかり相手に伝えることにつながります。

今年も多くの学生が、自分の最大限の力を発揮できることを祈っております。

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