忙しいだけの人にならないために

今回は忙しいだけの人にならないために意識したいことをお伝えします。
先日、ビジネススクールで学ぶ受講生から将来のキャリアについて相談を受ける機会がありました。その方いわく、周りに普段からとても忙しそうにしていて、残業時間も多い割に、具体的に何をしているのかよく分からない人がいるようで、将来そうなりたくないと思って能力開発を頑張っているそんなお話でした。

意識したい問い

あなたの周りにも残業時間が多い割にアウトプットに疑問が残る方は少なからずいるのではないでしょうか?
忙しいだけの人にならないように、個人的に大事にしている問いがあります。それは「市場から見たときに成果があると言えるか?」という問いです。

バタバタと仕事をしていると目の前のタスクに追われ、気づくと生産性の低い仕事をしている危険性があります。
成果をしっかりと把握することで、費用、つまりこれまで投じてきた時間に対して高いアウトプットに直結したかを把握することにつながります。

成果を測定するための四象限

ただ、成果と言っても幅が広く、何をもって成果と言えるかがイメージしづらい人も多いです。そこで、私はいつもこんな四象限で成果を整理しています。

まず、縦の軸に売上アップか費用削減かを取り、横の軸に長期か短期かの軸を取ります。

例えば、営業をして商品が売れた場合は短期の売上アップに貢献したことになり、エクセルの自動ツールを作って業務を効率化できたら短期の費用削減になります。
私の行なっているVoicyでの配信は、この配信をしたからと言っていきなり私の勤務するビジネススクールで学ぶ人が増えるわけではありません。時間をかけてVoicyがきっかけで受講を決める人もいることから長期の売上アップにつながると言えます。
SDGSなど環境への配慮に企業が尽力して取り組むのも、これに力を入れないと将来顧客から見離されてしまうから実施しているもので、長期の売上アップ施策と言えます。こう考えると全ての仕事はこの四象限のいずれかに入ります。

可能な限り定量的に測定できると良いですが、難しい場合は定性的な効果ととらえても問題はありません。ただし、自分が投下する時間というコストに対して、ちゃんとプラスの成果を出しているかは考える必要があります。

忙しいだけの人は余計な仕事を増やしている?

例えば、ある商品の営業担当者がお客様と1時間商談の話をしていたとします。いつも商品Aを売っているのですが、相手の課題をしっかりヒアリングしたところ商品Bが要望にはあっていることが分かりました。しかし、商品Bについてはうまく説明出来ないので、後から別の担当者からメールさせますのでそこでまた時間を擦り合わせて詳しい話は聞いてくださいと伝え、帰ってから1時間の商談内容を別の担当者に伝えメールを送ってもらった。

あなたはこれを聞いてどう感じたでしょうか?

成果としては最終的に商品Bが売れたか?という短期売上成果と継続して購入し続けてくれる場合は長期売上に入ります。
では費用はと言うと、以下のようにかなりかかっています。

  • 商談1時間
  • 商談内容を連携する時間
  • 別の営業担当がそれを理解する時間
  • 別日程を調整する時間
  • 別の営業が商品Bを説明する時間 など

さらに顧客からすると、1時間も商談して自社サービスのことを教えてくれないことに対して不安を覚え、商品が売れなくなるリスクも増えます。

商品Bの知識をあらかじめ把握しておくことが最も大切ですが、仮にその場で把握できていなかったとしても、相手の要望をヒアリングした上で、後で自分で調べたり周りの人に聞いた上で、この顧客に自分で説明する方が生産性は高いです。

失敗は成功の元

また、結果的に成果につながらず失敗したら全て水の泡か?と言うとそうではありません。そのアクションは失敗であることを組織のノウハウとして蓄積できたと捉えれば、長期売上アップもしくは長期費用削減につながります
もちろん成功確率の低いアイデアを闇雲に実施して失敗するのはNGですが、考え抜かれたアクションを失敗した場合はむしろ価値が高いのです。

まとめ

今日は忙しいだけの人にならないためにできることをテーマにお伝えしました。シンプルにコストに対して成果は出たのかを考える。その際に、売上アップ、費用削減の軸と長期短期の軸で区切って考えることをお伝えしました。ただ、これだけだとなんだか堅苦しい感じもします。

私はVoicyの配信を3年半以上続けていますが、これは成果が上がるからだけでは続けることができなかったように感じます。

リスナーの皆さんから嬉しいコメントがあったり、「Voicyの方ですよね」とスクールの校舎で声をかけていただいたり、そもそもコンテンツ作りが楽しかったりと、成果で測れない喜びがあったから継続できました。特に長期の売上アップや費用削減の施策に取り組む場合は、自分なりに楽しめる要素も見つけられると良いかもしれません。

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