新しい施策の見つけ方

先日、友人と話をしていると、「最近、上司から既存の延長ではなく何か新しいことに取り組むようにとプレッシャーを受けるが、どう新しい施策を考えたらよいか分からない」と相談を受けました。

変化が早いAI時代は常に新しいことに挑戦し続けないと取り残されてしまうそんな厳しい環境です。

最近は、多くの会社で新規事業の部署がたくさん作られて、その部署にたくさんの優秀な人材が配置されているという話を聞きます。

現場の担当者であっても、新しくてインパクトのある施策を考える必要があるわけですが、そもそも新しい施策をどう見つけるのか?その方法論は誰も教えてくれませんし、どの領域で新しい施策を実行すれば効果的かは組織の文脈に依存する部分も大きいので中々形式化するのは難しい分野です。

私自身も常にインパクトのある施策ができないか試行錯誤中の身ではあるのですが、過去の経験から現場レベルでも見つけられるインパクトのある施策には共通点があるように感じます。

インパクトのある新規施策はどこにあるのか?

それは、組織の隙間を埋める施策ということです。

バリューチェーンの隙間と言い換えてもいいかもしれません。

経営企画部とマーケティング部、マーケティング部と営業部、営業部と製造部のように隣り合う組織の隙間に、お互いの組織がお見合いになってポテンヒットになってしまっている領域がないか探ってみるのが良いと考えています。

前職の大手通信会社にいた時に考えた施策を例にお話をします。

リサイクル基準を定めるだけで数億円のコスト削減に貢献

私は技術系の採用だったこともあり、通信設備の新設の設計業務を担っていました。

ただ、従業員が数万人、グループ会社も併せると数十万人の大企業だったので、設備設計を行う部署だけでもたくさんありました。

細かくどの部署がどの範囲までを責任範囲か決められていたのですが、ちょうど私の部署と上位工程を設計する部署との間で責任範囲があいまいになっている物品があるのを見つけました。

物品の全国の分布を調べると、発注後に使われていない物品が全国で数億円単位で散らばっていることが分かり、今後この物品が必要な際はすでに発注した近くのビルにある物品を使うというリサイクルの基準を定めたことでかなりのコスト削減につなげることができました。

大企業ほど隙間は絶対に存在する

この話だけ聴くと、自分の会社はそんなことはないと思うかもしれないのですが、個人的には大企業ほどこのような部署間での隙間で新しい施策のタネはあると考えています。

今回の物品も、数年前から何度も行われた組織変更によって、責任の所在があやふやになり、さらにこの物品の発注フローにも変更があったことが背景にありました。

費用削減のために、下請けや孫請けの会社に仕事を譲渡している企業もたくさんあると思うので定期的に検査することで、想定外のことが見つかる可能性があります。

また営業担当である私が立ち上げた自社での音声メディア配信の施策もそうです。

元々認知拡大の施策なので、マーケティングチームの範囲とも言えますが、お客様との対談企画など、よりお客様に近いところにいる私だからこそすすめることができると考えて進めてきました。マーケティングチームと営業チームの間で見つけた施策ともとらえることができます。

ぜひ、組織の隙間で怪しい領域がないか調査いただきたいなとは思います。ただ、それでも見つからない場合もあります。

アイデアは現場にある

結局、改善アイデアの見つけるパターンとしてはふとした瞬間の違和感から生じる場合が多いです。

前職の物品の利活用施策を見つけたのは設備現場を下見に行った際に、どこの回線にも繋がれてない物品があるなぁと感じたところから施策はスタートしましたし、音声メディアの配信開始は「最近はyoutubeで映像は見ずに音だけを流して利用するシーンが増えたなぁ。」という違和感を持っていたことが少なからず背景としてありました。

日々感じる違和感メモを蓄積するだけでも新しい施策のタネになる可能性があります。

日常的にアンテナを張っておきたいものです。

組織の隙間に意識を向けつつ、日々の違和感を大切にしていただきたいです。
良い施策アイデアを見つけるヒントになると嬉しいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA