書評「頭のいい人が話す前に考えていること」著者:安達裕哉

日々の会話の中で、以下の悩みに直面する人は多いです。

「結論から話すと、、、と言っているのに全然結論から話してくれないな、、、」

「一緒の会議に出たはずなのに、なんでこうも話を聞いていないんだ、、、」

特に新入社員に対してこのように感じる場面は多いです。「しっかり集中して話を聞いて、よく考えて話して!」と一喝したくなる気持ちも分かりますが、これを言っても全く解決しません。

こんな悩みに答えてくれるステキな本を見つけましたので今日はご紹介します。

本のタイトルは「頭のいい人が話す前に考えていること」です。

頭のいいひとの頭の中を見ることができる

身近な人の中で、話も分かりやすくできる人がいると思います。本書ではそんな頭の良い人が話す時に何を考えているのか紹介しています。頭の中を可視化したものが以下の図です。

聞く、整理する、話すの3Stepしかありませんが、実はかなり高度なことを瞬時に実施していることが分かります。

話を聞く時も単純に意味を理解するのではなく、情報を「事実」「感想」「意見」に分けて聞きつつ、それらの内容を構造的に整理しています。さらに話す時には相手の状況を把握し、相手視点に立って話し始めます。

以前ご紹介した『考え方の教科書』の中でも、まずは認知することが大切とありましたが、頭の良い人はさらに構造的に情報を整理していることが分かります。

コミュニケーションがうまくできない人の特徴

頭が良い人はすべからく上記のStepを丁寧かつ高速回転で頭の中で実施しています。

では逆にそれらができない人はどんな特徴があるのでしょうか?本書では以下の特徴を上げています。

  • 自分の認識できたとこだけを切り取って話を聞いている
  • 質問が難しいと簡単な質問に置き換えてしまう
  • 一つの意見だけに飛びついてしまう
  • 相手の視点に立てない

話を聞いていないわけではないのに話を聞けない人は多いです。

私も過去にAさんに対して自分の業務の引継ぎを1か月かけてする際に困ったことがありました。

週に一回1on1を実施しプロジェクトの進め方をすり合わせしても全くその通りに動いてくれない、結論から報告してと言っているのにAさんの取り組んだ事を時系列で説明する、こちらが全く背景を理解していない(Aさん本人も理解できていない)コンテンツ作成を無茶な期日で依頼してくるなど非常に手を焼きました。

当時はなぜこうなるんだと一人で悶々していましたが、本書を読んでその謎が解けました。

自分も注意しないとすぐに分からずやになる

本書を読んで自身で意識したい点は以下の3つ。

  • 学ぼうと思って相手の話を事実、感想、意見に分けて聞く
  • 箇条書き機能を頭に思い浮かべて整理する
  • 一緒に考え、相手に自分で気づいてもらい、背中を押すストーリーで話す

自分で実施するとともに、コミュニケーションで悩んだメンバーがいたら真っ先に本書を紹介したい、そんな素晴らしい本です。

本書ではこの他にも幅広く(面接官がすべき質問5つなど)かなり身になる内容が満載です。

是非手に取ってみてください♪

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