今日は最低限必要なポータブルスキルについて、具体的にどんなことができるようになっていると良いのか考えます。
厚生労働省が2020年に報告したデータによると、2019年における入社3年以内の離職者は約3割とありました。
つまり、若手社員にとって、転職することは当たり前でそのためにもまずはスキルアップできる環境を求めているわけです。
企業側は自己成長できる環境を用意しないと選んでもらえなくなる売り手市場で、働く側もどこでも通用できるように、ポータブルスキルを求める時代になっています。
ではここで質問ですが、あなたにとって基盤となるポータブルスキルを得た状態とは具体的にどんなことができるようになっている状態ですか?
プレゼンスキルやファシリテーションスキル、プログラミングスキルや英語力などたくさんありますが、まずそもそも誰しもが必要なスキルかと言われると納得感が薄い感じもします。
私自身日々鍛錬をしている身ではあるのですが、採用やメンバー育成、日々能力開発に励むビジネススクールで学ぶ受講生との対話の中から得たヒントをもとに、これだけは押さえておきたい具体的なポータブルスキルを3つお伝えします。
「そもそも」と立ち返れるか
まず一つ目は、目的に立ち返る力です。
目的を意識するのは常日頃からできていると感じた方も多いと思いますが、一度も目的から外れることなく思考し続けられる人はほとんどいません。例えばあるミーティングで、認知拡大のためのマーケティング施策を考えていたのに、気づいたら売上拡大も目的に混ざっていて、ひどい時にはふと思い出したオペレーションの課題を議論してしまっているなんてこともあります。ミーティングの場でも、1人で考える時でも、話が逸れるタイミングで「そもそも」と議論を元に戻すことが大事です。そしてこれを実行する上で最も重要なことが何を目的にするか?です。クリティカルシンキングではイシュー 設定などと言いますが、これを間違うとそれ以降の時間は全て意味がなくなるので要注意です。目的が言語化できたら、思考してる間は常に目的を目に見える位置に置くことが、立ち返るのに役立ちます。
最強のポータブルスキル「クリティカル・シンキング」
二つ目は、論理思考力です。
論理思考力と一言に言ってもかなり幅広いので、具体的に「自分の考えを箇条書きで理路整然と伝える」力にしぼって考えます。イメージとして、ミーティングの議事メモをGoogleドキュメントの箇条書き機能を使って見やすく整理できることを指します。(以下 例)
言葉で聞くと概念は理解できるのですが、実際に手を動かすのは難しいです。
先日、私が相談役を務める会社で若手社員の方と1on1ミーティングをしていた時に、箇条書き機能を使って構造的にミーティングメモをしてもらうようにしましたが、言われたことを順番でメモしていました。新入社員のうちはそれでも良いのですが、徐々に時系列以外の枠組みで、瞬時に分解する力を養いたいところです。
メインのコミュニケーションツールは?
三つ目は文章力です。
ここで言う文章力はとにかく短い文章で意図を正確に伝える力を指します。ビジネス文章においては、ユニークさよりもとにかくコンパクトに情報を伝える力が必要になります。
- 一文を30文字以内で書く
- 「〜という」を使わない。
この二つを意識するだけでもかなり見やすい文章になります。
リモートワークが浸透し、テキストコミュニケーションは以前よりかなり増えました。あなたの周りにも必要以上に長く分かりづらい文章を書く人がいませんか?これからの時代、文章力は強みではなく、一定のレベルを超えないとマイナスポイントになります。
我々グロービスの中でも全員が読むべき本として「文章力の基本」を指定していたりします。私もつい先週「新しい文章力の教室」という本を読むなど、慢心することなく、定期的に分量力の書籍を読むようにしています。
まとめ
今日は全員が持っておきたいポータブルスキルとして、目的に立ち返る力、論理思考力、文章力をお伝えしました。どれも基本であると同時に奥義でもあると考えています。クリティカル・シンキング力と言ったりしますが、鍛えることで必ず成果が出るスキルですので、是非一度振り返っていただけると嬉しいです。