以前Voicyで読書についてお話ししたところ、本をどのように読んでいるのか質問を受けました。こちらの記事(本を100冊読んで分かったこと)でもお伝えしたのですが、私は数年前まで年間10冊程度しか本を読んでおらず、MBAを勉強する過程で必要に駆られてたくさん読むうちに読書が習慣化したような人間です。そんな私でも2022年はビジネス書を中心に楽しく前向きに100冊読むことができたので、僭越ながらビジネス書の読み方について本を読む前、読む最中、読んだ後に分けて意識していることをお伝えします。
読む前は本選びが肝
まずはどの本を読むか決めるところから始まります。読書を楽しめるかはどんな本を読むかで決まります。ステキな本に出会えたらそれだけで前のめりに読み進めることができます。本選びはVoicyでも活躍されている荒木博行さん著書「自分の頭で考える読書」を参考にしています。本の内容から問いと答えを抽出し、自分が求めているものか判別します。
例えば、プレゼンテーションの本であれば問いは「良いプレゼンをするには?」で、答えは「その本に書いてあるハウツー」です。この場合、問い自体に価値はなく、答えの内容によってその本の良し悪しが決まります。プレゼンの知識が全くない方にとってはどのプレゼン本もある程度は役立ちますが、すでに知識がある場合は本選びが大切です。別の例で、斎藤幸平さんの人新世の「資本論」と言う本は、問いが民主主義を継続して良いのか?で、答えが脱成長です。この本がベストセラーになった理由は、この問いが斬新かつマルクスの理論を基礎に分かりやすく言語化していたからだと思います。
問いと答えを念頭に置き、本を選ぶとハズレが少ないです。
また、特にビジネス書の場合は紙の本をおすすめします。章ごとに読み飛ばすこともできるできるからです。私も基本的に紙の本を購入後、読む時に表紙がかさばって読みづらくなるので、すぐに表紙は捨てています。さらに、気になる本はどんどん購入したまま積読しておきます。その日の気分で読む本を決めると、前のめりに読み進め安くなります。
読む最中はドッグイヤーを気にせずつける
本を読む順番は、はじめに、おわりにを先に読んで、どんな問いを示しているか考えた上で目次に3回目を通します。目次にはその答えとなるものが章ごとに書いているので、そこからおおよその本の主張を構造的に読み解きます。本屋さんに立ち寄れるのであれば、ここまでを立ち読みして本を買うか決めるのがおすすめです。
次に、問いに答えてくれそうな章を読みます。読んでいる最中は、気になったページにどんどん折り目をつけていきます。以前、付箋を貼っていたのですが、付箋を貼り付けるのは案外手間であることに気づき、最近はそのままドッグイヤーをつけています。
知識をインプットするための本や、面白そうと感じて全部読みたいと思った本、全て読まないと問いに答えられない本は全部読みますが、基本的に問いの答えが見つかったと思ったら全部読むことなく本を閉じます。
読んだ後のアクションが最も大事
最後に読んだ後ですが、私はこの工程が最も大事だと考えています。数年前まで本は読みっぱなしにしていましたが、ほとんど頭に残っていないことに気付きました。読み終わった後は自分なりにアウトプットしてまとめるのがおすすめです。私は前回も紹介した浅田すぐるさんの著書「早く読めて、忘れない、思考力が深まる 「紙1枚!」読書法」を参考にアウトプットしています。
紙一枚を使ってまとめる方法で、紙の左半分に折り目をつけた気になった内容をひたすら記入します。右側にはその本の問いと答えを記入した上で、その答えとは具体的にどういうことか?なぜそう言えるのか?今後、何をアクションするのか?を言語化します。
紙一枚にまとめた上で、良かったなと思うものはブクログという書籍管理アプリに感想を書きます。ぜひ他の人にもおすすめしたいという場合はブログで言語化をします。紙一枚でまとめていると、短い言語化でもブログなどの長文でも柔軟に言語化することができます。また外部の人の目に触れるところに自分の文書を載せると反応が返ってきてそれもまた学びに繋がります。読みっぱなしになっている人は是非言語化まで取り組んでみてください。
まとめ
今回は本の読み方について、読む前、読む最中、読んだ後の3つに分けてお話をしました。本の読み方に正解はないと思うので是非周りの読書家の人に聞いてみてください。何かヒントが見つかると思います。最後に一冊だけ本を紹介させていただきます。「投資としての読書」と言う本です。2/9に発売される本ですが、年間300冊本を読んでいる作者のノウハウが余すことなく書かれた本ですので、きっと学びが詰まっています。これから本を読もうと考えている方は是非手に取っていただければと思います。