ここ最近は生産性を軸に、DXのような技術的なアプローチの話や、国の方針として残業規制などがすでに始まっています。
私自身もMBAを勉強し始めた1年目に子供が生まれてから、特に強く生産性を意識するようになりました。その頃から、生産性が高いと感じる方の行動をよく観察するようになったのですが、共通していることとして、相談力の高さを感じました。
レベル別の相談力
分かりやすいように上司に相談するシーンを例に相談力のレベル別で、お伝えをします。
- レベル0 「どうすればいいですか?」
- レベル1 「AとBどちらがいいですか?」
- レベル2 「AとBがあり、Aで進めていいですか」
- レベル3 「AとBあり、〇〇なのでAで進めていいですか」
私が観察する限り、生産性の高い方はレベル2と3を状況に応じて使い分けてコミュニケーションしているように感じます。こう聞くと当たり前のように感じると思いますが、観察していると案外できてない人は多いです。今回はそんな相談力を高めるために意識したいポイントを三つお伝えします。
”自分の意見を持つ”の本当の意味
一つ目は自分の意見を持つということです。
相談力のレベルで見ると、レベル0と1は自分の意見がなく、レベル2と3は自分的にはこう思うという自分の意見をしっかりと伝えている点が大きく違います。私もビジネススクールに入社したての頃は、右も左も分からずすぐに上司に相談していたのですが、その度に「あなたはどう思うの?」と聞かれ、ハッとしたことが何度もありました。
では、具体的に意見を持つとはどういうことなのでしょうか?
Voicyでもご活躍されている、ちきりんさんの本「自分の意見で生きていこう」の中で、意見を持つとは「自分のポジションを明確にすること」とありました。
はっきりと自分はこちらのAの方が良いとまずは言い切ることを意識してみてください。また、周りの人で色々コメントしている人に対して、きちんとポジションを取っているか観察してみてください。生産性の高い人ほど、ポジションを取った自分の意見を言っていることが分かります。
タスクバカになってはいけない
次に二つ目は論点を押さえるです。何か作業をする前に、その作業の目的や全体像を把握するために論点を押さえた質問をすることが生産性向上には必要です。ベストセラー作家の高松智史(たかまつ さとし)さんの「コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト」 に論点の押さえ方について説明があります。
仕事でアウトプットをするために、まず論点(解くべき問い)があり、次に論点を分解したサブ論点があり、次にそのサブ論点を解消するためのタスクがあります。
つまり、何かタスクがあるときに「どうやってやるか?」を相談するのではなく、そもそもそのタスクは何の論点でどのサブ論点を達成するためのものかを相談することが必要です。この動作をすることで、大きくずれがなく仕事を進めることができます。
その際に、しっかり自分なりの意見で「この論点なので、こんなタスクをしようと思っていますが相違ありませんか?」という聞き方をすると、仮に間違っていたとしても相手もコメントしやすく仕事がスムーズに進みます。
無言で通じるが最強(極論)
最後三つめは相談する相手の前提を把握するです。コミュニケーションをする相手との前提がそろっていれば、かなり端的なやりとりでも問題ありません。ちょっと極端な例なのですが、私は会社の先輩で仕事のコミュニケーションをかなりの頻度でしている方とは、例えば読んだ本の抜粋を送っただけで、〇〇の施策で活かしましょうかと返信が来たりします。
事細かに伝え過ぎて、本筋が伝わらない場面に一度は遭遇したことがある人は多いのではないでしょうか。そんな場合は、相手の前提はどこまでそろっているかを相談する前に一呼吸置くことをお勧めします。
ただ前提がそろっていないことはしょっちゅう起こります。同じMtgに出ていたとしても前提条件はずれていることがほとんどです。前提がそろっていると思っても、「ここまでは前提がそろっています」としっかり伝えた上でコミュニケーションする方が無難です。
まとめ
今回は相談力が高い人の特徴をお伝えしました。自分の意見を持つ、タスクではなく論点を押さえる、相手の前提を把握する。すべて聞くと当たり前なことばかりですが、いざ意識し続けるのは難しいものです。生産性が高い人の相談内容に聞き耳を立てることで継続的に気づきが得られるので、まずは身近にいる方の観察をしてみてはいかがでしょうか。