筋の良い施策の見極め方

筋の良い施策の見極め方について考えていきます。

仕事を進める中で自分が考えたアイデアが筋が良いのか悪いのかは誰しも悩むと思います。

私も特に新入社員時代に、色々とアイデアを出しても上司や先輩から瞬時に「それは筋が悪いからやめた方がいい」と何度もダメ出しされた記憶があります。

その度に、筋の良し悪しってなんなんだろうと疑問に思っていたのですが、施策の相談を何度も受ける中で、自分も判断を迫られる機会が増えたことから改めて施策の見極め方について考えたことをお伝えしたいと思います。

筋の良い施策を見極めるための2つのポイント

  • 費用対効果の視点
  • 組織課題の視点

超具体的な費用対効果を考えられているか?

1つ目は費用対効果が高いかどうかです。

施策云々の前にそもそも投下した費用よりも効果がある時間を過ごさないとビジネスパーソンとして失格となるわけですが、この費用と効果をそれぞれ正確に把握するのは案外難しいです。

先日、まだ入社して3ヶ月ほどのメンバーが新入社員がスピーディーに独り立ちできるように新入社員向けシステムマニュアル資料を作る提案をしてくれた話を例に考えていきます。

素晴らしいアイデアですが、実際どれくらいの効果がありそうでしょうか?

まずは、費用ですが、この資料を作成するコストがこれにあたります。今回は2時間の作業時間を費用とします。

次に効果ですが、新入社員がこの資料を使うことでシステム理解が円滑に進んだ時間がこれにあたります。

この際まず注目すべきはあくまでも効率化の施策なので、売上には直結しないということです。企業に属している限り基本的にビジネスパーソンの活動は売上アップか費用削減のどちらかにつながっているはずです。

例えば、年俸制の会社であれば、どれだけ時間効率化の施策をしても財務諸表上の効果は表れません。削減した時間分、別のプラスを生む活動がセットになるわけです。

次に効果のある範囲に注目します。新入社員を対象としたものなので、新入社員の人数✖️使ってくれた割合✖️短縮された時間がかけた費用の2時間を超えないと少なとも筋が悪い施策になります。

新入社員以外はこのマニュアルを見ずに作業ができるので、仮に新入社員が1年間入社しない場合は効果が0ですし、入社したとしても使わなければ同じく効果が0です。

マニュアルを作るだけでなく、その後も活用される仕組みまでセットで考えないと筋が悪い施策になりかねないので、費用対効果を具体的に落とし込む姿勢が大切になります。

あなたの組織課題を言語化できていますか?

次に大事なポイントして今の組織課題の解決に紐づくかどうかも筋の良し悪しに直結します。

前職の時の話なのですが、ある物品のリサイクル基準を定めて数億円単位のコスト削減施策を考えて実行したことがあります。かなりの効果ということでその年の優秀賞に選ばれたのですが、最優秀賞は営業部の施策で自治体の案件を新たに取って来たというもので売上規模だと千万円ぐらいの案件でした。

金額は圧倒的に自分の施策の方が良かったのになぜなのか当時の部長に聞いたとこと、組織課題としては費用削減よりも売り上げをどう拡大するかの方が喫緊の課題だったという説明を受けました。

その時は正直納得ができなかったのですが、その時々で組織の優先順位は変わります。

もちろん、最初の費用対効果の視点が大事ではあるのですが、シンプルなインパクトだけではない視点があるということは意識すると良いと思います。

スキルアップだけでなく視座・視野の広さを

というわけで、今回は筋の良い悪いを判断するために、費用対効果の視点と組織の優先度の高い課題解決につながるのか視点についてお伝えしました。

こう考えると、仕事を進めるスピードが遅いと費用対効果が低くなり筋が悪い施策になってしまうかもしれませんし、仮に仕事のスピードが早くても視座が低く組織にとって優先度の低い課題に取り組んでいたら同じく筋が悪いと思われるかもしれません。

仕事のスキルアップと合わせて視座の高さや視野の広さも狭くなっていないか、是非一度振り返ってみてください。

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