結論から話せと言われてもできない理由

  • 「端的に結論から教えてくれ」
  • 「良いのか悪いのか、とりあえずどっちなんだ」

上記のように、上司から部下にやや厳しい口調で言うシーン、あなたも遭遇したことがあるのではないでしょうか?

ビジネスでのコミュニケーションは、小説のように起承転結かつ時系列で伝えるのと違って短時間で正しく情報を伝えることが求められるので、まず結論から伝えて、その後に細部を伝える場面は多いと思います。

書店にあるビジネスコミュニケーションの本でも、会話の最初に「結論から申し上げると」をつけることを意識しようと記載されたものもあります。ただ、結論から申し上げるとをつけても、結論から話せていない場面、あなたも遭遇したことがあるのではないでしょうか?

結論から話すことを意識しようがしまいが中々できない背景として、シンプルに相手の聞きたいことがわかっていないことが原因としてあります。(参考 書評「頭のいい人が話す前に考えていること」著者:安達裕哉

ではどうすれば良いのでしょうか?

相手の論点とは?

1番手っ取り早いのは相手に結論はなんですか?を聞くことです。

きちんと考えを整理した相手であれば何が結論かシンプルに言語化してくれますが、相手もよく分かっていない場合はフワフワした答えが返ってくる場合もあります。

ただ、相手との関係性によって聞きづらい場面もあると思いますし、毎回聞くのも気が引けます。

ここで大事になるのは相手の論点で会話をするということです。

論点構造の把握の仕方

以前メンバーから他部門からの問合せの回答方法について相談を受けた時の話を例に、お伝えします。

広告の方法についての質問だったのですが、伝えるべき内容を箇条書き機能も使ってかなり見やすく工夫して言語化していました。一見するとよく見えたのですが、論点構造が怪しいことに気づきました。相手は2つの質問をしていたのに対して、箇条書きで6つの段落で回答していました。

内容は正しいにも関わらず、相手の論点に立った回答ができていなかったのです。

今回の場合は2つの質問それぞれに回答する構造で記載する方が相手にとって親切だったので、大きく内容は変えずに論点を相手に合わせて回答してもらいました。

この話を聞いて、それぐらいできていると感じた方もいるかも知れません。ただ、相手の論点をつかむことは簡単ではありません。今回のやりとりも、「質問①は〇〇」「質問②は△△」のような聞き方ではなかったので、ようするにこの2つのことを聞いているのだなとこちらが解釈した領域が少なからずあります。

社内のコミュニケーションでそこまで気を使わなくて良いという意見とありますが、相手の論点に答えられず何度もメールのラリーをしてしまい無駄に時間がかかった経験はあなたもあるのではないでしょうか?

自分の論点で物事を整理するのはもちろん大切ですが、コミュニケーションの際は相手の論点に組み替えて説明することこそが、結論から話すということにつながります。

上司からの質問に「この資料見れば分かる」と言ってはいけない理由

別の例で、上司に営業数値が良いのか悪いのか報告を求められて、見ればわかると思って元データのありかを伝えるだけで良いと考える人もいますが、これも相手の論点に合わせたコミュニケーションができていないと言えます。

この場合は相手が何を持って営業数値が良いか悪いかを理解し、相手の論点に合わせて例えば前年同期より数字が上なので良いと答えるのか、コロナに入る前の3年前の数字より下なので悪いと答えるのか柔軟に対応する必要があります。

もちろん、事前に上司ときちんとデータの見方を擦り合わせて、無駄な確認稼動を減らすのは良いと思いますが、基本的には相手の論点で会話をする意識を持つことがスムーズなコミュニケーションにつながります。

受け手側も気を付けよう

ここまで話す側の話をしましたが、受け手側の問題の場合もあります。

例えば普段から小さなミスも許さないような窮屈なチームのリーダーの場合、メンバーからすると特にネガティブな報告を結論から話すのは難しいですし、どんな論点を大事にしているか分からないようなリーダーも何が結論か読めません。
相談がしやすい空気や、適切に情報共有をして今何に力を入れているのかを普段から意識できると良いと思います。

まとめ

というわけで、今回は結論から話すことの難しさについて考えました。

相手の論点を意識して話す順番を考えることは論理思考の良い訓練になります。

ぜひ意識してみてください。

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