育成モードの落とし穴

職場で誰かに教える場面での注意点について考えます。

部下や後輩、新しく自分の部署に来たメンバーに、仕事を教える場面が少なからずあると思います。私自身も経験を積み重ねると、教わる場面から、段々と教える場面が増えてきたように感じます。

ただ、相手を成長させたい思いがあったとしても、うまくいかない場面も多いです。育成モードでメンバーに接するなんて言い方をする人もいますが、相手はこちらの思いとは裏腹に、細かい指示ばっかりしてきてうざい、なんて受け取り方をしている可能性もあります。

私も日々試行錯誤している最中ではあるんですが、意識することでうまくいったと感じるポイントを3つお伝えします。

バージョンアップの姿勢

一つ目は、今の方法が正解ではない前提で接する。

どうしても育成モードで接してしまうと、今の自分のやり方が正解で、その方法を正確に教えることばかりに目が言ってしまいます。しかし、最近は環境変化が激しく、過去のやり方が最適でないこともしょっちゅう起こります。あくまでも「今のところはこのやり方なんだけど」と枕詞をつけた上でコミュニケーションをする必要があります。そして、なぜ今このやり方なのかの背景を端的に説明する準備が大事です。これを意識することで、相手からなぜ別のやり方でしないのか?といった疑問があった際に、納得した理由を答えられたり、場合によっては柔軟に相手のアイデアを取り入れることができます。間違っても、相手からの意見に対して、昔からこのやり方だから、なんて説明しないように気をつけたいです。

マニュアル化

二つ目は、そもそもマニュアル化できないか考える。

よくZ世代はタイムパフォーマンスを強く意識していると言います。効率的に最短ルートで仕事を進めたい思いがあるわけです。Z世代にとって、何かを教えてもらう時に、わざわざミーティングをセットして相手から話を聞くよりも、マニュアルをさっと自分で確認をして、分からないポイントがあれば聞くのが当たり前です。なるべく定常業務はマニュアル化し、文章としてメンバーが確認できる箇所にまとめておくことが重要です。案外マニュアル化を進めると、自分のやり方と周りのメンバーのやり方が違っていて、改善につながるパターンもあります。口頭で伝えていたノウハウの言語化をごりごり進めると、組織全体としてもメリットが大きいです。

土台となる信頼感

三つ目は、自分の信頼感を高める。

あなたもそうだと思いますが、自分が信頼している人からのフィードバックほど、心に残りますし、自ら改善を進めようと考えるはずです。信頼を積み上げるのは時間がかかりますが、崩れるのは一瞬です。

仕事に遅刻するとか、やるといった約束が守れないとかはビジネスパーソンとして論外ですが、ちょっとした相談に乗る、仕事で成果を出すといった信頼残高を貯める営みが相手に物を教える場面でも有効に働きます。真摯に教えてるつもりなのに、相手がなかなか自分の言葉に耳を傾けてくれない時は、一度、自分の信頼残高について考えてみるのも良いかもしれません。

まとめ

今回は育成モードの落とし穴についてお話をしました。私自身、育成モードという言葉があまり好きではありません。相手が自分より年齢が下であったとしても、自分の方が常に優れているなんてことはあり得ないですし、立場の上下ではなく、考え抜かれた施策の方を意思決定した方が組織としてメリットがあるので、あくまでもフラットに接したいと考えています。

今一度、自分の行動を振り返るきっかけになれば嬉しいです。

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