社会人の学び直しが流行になっています。
文科省が社会人向けの学びサポートサイトマナパスを準備したり、厚労省が学び直しする社会人向けに給付金を支払うようにしています。実際、私が勤務しているビジネススクールに通う方も8割が国の給付金を利用し、112万円の援助をもらって受講しています。
何を学ぶのかももちろん大事ですが、大切なのは貪欲に学びを吸収する姿勢です。転がったコップに水を注ぐことはできません。
買った書籍が自分に合わないからと言って、Amazonで低評価のレビューばかり書いてしまうのではなく、何からでも学ぶ姿勢があるということです。
ちょうど、それを実践するのにぴったりの本を知人から教えてもらったので、自分なりに引き寄せて考えます。
孤独の宰相から学ぶ
本のタイトルは孤独の宰相。
菅元総理の官房長官時代から総理になり、わずか一年で辞任するまでの裏側に迫る内容で、6年間担当記者として息遣いまで間近で見てきた著者だからこそ書ける一冊です。
この本はいろんな読み方ができます。
政権を支持する立場としても読めますし、逆に政権批判の材料としても使えます。
ただ、自身の学びを目的としたときにその読み方は適切ではない気もします。
菅さんをケースワークの題材としてとらえ、彼なりの視点に立ち、自分に問いかける方法で今回は自分事化していきます。
今回はこの本から3つの問いを学びました。
人間は変われない
一つ目は「立場が変わった時、これまでのやり方に固執せずにいられるか?」という問いです。
書籍の中で、菅さんは官房長官から総理になった時も、これまでと同じように自分で全てのことを決め、記者会見では守りの姿勢を崩さず、色んな立場の人との会食を通して広い視座を得ようとしました。
本の中では、”誰かに任せることができなかったことが、自分を追い込んだ。そして、国民が強いメッセージを欲する中、守りの記者会見で同じ解答を繰り返し、コロナ禍にも関わらず毎日会食を通して情報収集に奔走したことに、国民は離れていった”とありました。
ただ、後で批判するのは簡単だが、自分はできたか?と問われると自信はありません。自分のやり方に固執しないためにも、耳の痛いことを第三者的に言ってくれる人物を近くに置くなど、仕組み的に解決できないか、考えるきっかけになりました。
短期目線VS長期目線
二つ目は超長期視点で周りからの批判を想定できたか?です。
これまで、高い求心力で各省庁の人事にも手を出し、スピード感を持って施策を推進してきましたが、その際に敵も多く作っています。結果的に最後は自民党内からの反発が原因で辞任に追い込まれたとのことでした。
個人的に、周りの批判も覚悟の上で変革を進めることはとても大事にしたい考えです。ただし、全ての局面でこれを繰り返すことは得策ではないかもしれないと思い直すようになりました。絶対に譲れない場合と、ある程度譲っても良い場合とで場合わけをし、長期視点でメリデメを天秤にかける視点が必要です。
相手も知らない深い部分に踏み込む
三つ目は相手のインサイトまで踏み込めたか?です。
不言実行をモットーにしていて、成果を出せば支持率は戻ってくると信じて色んな施策に邁進してきました。
ただ、自分の想いや進める過程を言葉で伝えることを怠ったとも言えます。
国民はコロナの感染者増えることに不安でした。ワクチン普及率にこだわった菅さんでしたが国民の期待とのギャップが産まれてしまいました。
ここから、自分の価値観ではなく、どこまで相手の表面的ではなく奥底のインサイトを探れるかが重要であると感じました。普段の仕事でも、表面の情報で踊らされていないかを気付く良いきっかけになりました。
まとめ
今回は、自分に引き寄せてインプットするをテーマに、孤独の宰相を扱いました。これまでのやり方に固執していないか?超長期視点で批判を想定しているか?相手のインサイト。という問いを私は得ることができました。
恐らく読む人や、読むタイミングによって学びのポイントは変わってくると思います。
どこからでも学ぶ姿勢を是非大事にしていただきたいなと思います。