「去年読んだ中でおすすめの本はなんですか?」と聞かれたらどう答えますか?ぱっと思い浮かぶ本がいくつかあるのではないでしょうか?
では「その本の内容を教えて」と言われたらなんと答えますか?
・・・・・
意外と自分の言葉で説明するのは難しくないでしょうか?
説明できないことは理解できていないこと
なんとなく良かったことは覚えているんだけど、ところどころしか覚えていない。もしくは5時間かけて読んだ割に、身になったものが少ないという経験は多かれ少なからず誰しもあります。単純に読書時間を楽しむ場合は良いですが、読んだ内容を普段の仕事や生活に活かしたいと思っている場合は勿体ないように感じます。
今日はそんな人におすすめ本、「投資としての読書」を紹介します。
著者の本山さんはビズペラという厳選されたビジネス本を一枚でアウトプットしてまとめる月間9万PVあるサイトを運用しており、年間300冊本を読む「読書の達人」です。
そのノウハウを余すところなく言語化してくれているのが本書です。ペライチでまとめる手法を紹介してくれているので、私もそれにならって、本書の内容をペライチにしてみました。
通常読書術の本だと、どう読むか?に重きが置かれていますが、本書では大きく本を読む前、中、後に分けて説明しており、その中でも読む前にフォーカスしているところが他の読書本とは一線を画します。なにせ4章あるうちの1章まるごと使って、独学について語っているのですから、著者の「読書は読む前がとにかく大事!!」というメッセージが目次を読むだけでも分かります。
ボス戦で勝てなくなってから攻略本を読む
攻略本はいつ読むか?という話が本書で出てきます。ゲームを買って、プレイする前に攻略本を熟読する人はいません。最近はタイパを意識して、先んじて読む人もいるかもしれませんが、それはそのゲームの前のバージョンをやったことがあり、勝手が分かっているから読んでいるのであって、完全に初めてプレイするゲームで先に攻略本を読んでもあまり頭に入ってこないのではないでしょうか?
同じことが読書体験でも起こっていると著者は言います。UIデザインをやったことがないのに、UIデザインの本をたくさん読んでも「ふーん」で終わってしまいます。私も5年前にSNS戦略の本を読んだことがありますが、正直何も頭に残っていません。ただ、最近ビジネススクールでSNSのプロジェクトの責任者になってからは、壁にぶちあたる度にSNS関連の本を読み、学んだ内容を仕事で実践することで血肉化できている感覚があります。
つまり、ボス戦で勝てなくなって初めて読書の出番で、ボスが出てくるまではひたすら実践せよというのが本書の一番のメッセージと捉えました。
本を読む前にボス(課題)を把握しており、どうなればそのボスを倒した状態かをイメージできていれば、あとはそのイメージに沿う武器(本)を選ぶことができれば読書体験を資産化できることが確定しています。(参考「本を100冊読んで分かったこと」)
あとは効率的に読むだけ
読む本が決まれば、あとは武器(本)をきちんと効率的に使いこなせるようにするだけです。本書では、以下の三つを紐解く方法を紹介しています。
- 問い
- 答え
- 根拠
これさえ抽出すれば、全体の2割を読むだけでもしっかりボス戦で勝つための武器の使い方を理解することができます。私も、キャリアやリーダーシップ、マーケティングの本などはそれなりの冊数を読んでいることもあり、さらっと1時間程度読むだけで血肉化できます。
しかし、ここで一点だけ本書に異を唱えたいところがあります。2割読書や高速回転読書(さらっと読むのを複数回繰り返す)を紹介しており有益な方法なのは間違いないのですが、個人的には「読書が習慣化していない人は全ての本を一言一句全部読むべし!」と思っています。
私も5年前くらいまで年間数冊程度しか読書をせず、そもそも書いている内容を理解する力が弱かったです。その時に速読本を読んで、一部だけを読む方法や何度もさらっと読む方法を試しましたが、正直全く頭に入らなかったです。仮に自分の得意領域の本であっても読みなれていないと感じる方は、一言一句すべて読む経験を経た上で、本書の読書法を活用することをおすすめします。
削るから学びになる
読んだ後にペライチにまとめる方法も紹介されています。私自身ペライチを作ってみて、気づくと内容てんこ盛りにしてしまう自分の欲張り心にハッとしました。
本当はペライチに入れたかったのに削った内容は以下の通り
- 川下りの読書
- 著者の文脈をとらえる
- 経験→振り返り→概念化→試行のサイクル
- 独学のサイクル
- 良い書店の条件
- 高速回転並読み
- ビジネス書同士の矛盾を楽しむ
- 資産本コレクション などなど
ただ、泣く泣く読んだ内容を削る過程で、読んだ内容が自分に血肉化するプロセスとして必要であることを本書は優しく教えてくれます。
学びとは戦略同様に、何を学びとるか?以上に何を捨てたか?が大切で、その基準が自分らしさを作るのです。
まとめ
読書体験を費用で終わらせることなく、資産化するためのノウハウが詰まった本、「投資としての読書」を紹介しました。
もしも、読書と仕事がつながり辛いという方は、ブログでもSNSでもNOTEでも、読んだ内容をアウトプットする仕組みを設定しているだけでも血肉化につながります。
「やってみなはれ」の精神でアウトプットありきでなんでもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?