顧客視点を持つとはどんな状態か?

顧客視点について考えます。日々、仕事をする中で、顧客視点を持って仕事に取り組むとか、プロダクトアウトの発想ではダメだという言葉をよく耳にします。私自身も前職の上司にしょっちゅう指摘を受けていましたし、今でも日々顧客視点を持つために努力している最中です。

顧客視点を持つとは?

ここであなたに質問ですが、そもそも顧客視点を持つとはどんな状態でしょうか?

顧客を主語に会話をするとか、N=1の顧客分析を徹底するとか、色々あると思います。今日は以前参加したシニア向け女性雑誌ハルメクの編集長の山岡さんの話が非常に参考になったので共有しつつ、顧客視点について考えていきます。

ハルメクの徹底した顧客視点

ハルメクという女性雑誌をご存じでしょうか。通販でのみ購読できる雑誌で、書店やコンビニに置いていないのでご存じでない方もいるかもしれませんが、雑誌業界では異例の売上を誇っていて、業界の平均が月に8万部の中、50万部売り上げる一人勝ちしている雑誌です。数年前まで売り上げが低迷していたところを、新たに編集長になった山岡さんが中心となってV字回復を遂げました。プロフェッショナルにも出ているので、是非ご覧いただければと思うのですが、私が一番印象に残っているのは、顧客視点を持つ上で最も大事なことは「思い込みを捨てること」という言葉です。

例えばハルメクはシニア向けの雑誌なのですが、低迷していたころは「高齢者はおしゃれしない」「孫のことが大好き」といったイメージをもとにコンテンツを作成していたそうです。しかし実際にはそんなことはなかったそうです。顧客視点のないままコンテンツを作っても、決していいものは作れません。

思い込みを捨てるために

そこで、ハルメクでは思い込みを捨てるために2つのことをしていました。

一つ目が、膨大な生の情報に触れることです。

ここで重要なのは、どれだけ多くの情報に触れるかです。

ハルメクの編集者は、毎月数千枚の読者のアンケートに目を通しているそうです。さらに定期的にリアル読者と会うイベントでの観察を通して顧客にとって何が必要か知恵をしぼるようです。

二つ目は定量的なフィードバックの仕組みです。

ハルメクではデータチームがあり、どの記事がどんな世代に好評だったかをデータで把握することができます。編集者の狙いとは違ったデータが見えた時に、しっかりそのデータに向き合って改善をするサイクルが会社の仕組みの中でできています。

これらの営みを通して働くメンバーが共通の顧客像をイメージできているのだそうです。

あなたの働く会社は、お客さん像を正しく把握していますか?思い込みで判断してませんか?

こう問われるとドキッとしますよね。

顧客視点を持つためには、徹底した思い込みを排除するための努力が必要です。また、顧客の思い込みをうまく解消できればチャンスにもなるとも考えます。

例えば、私が働くビジネススクールも、多くの方が思い込みで間違ったイメージをお持ちです。

  • 学生はおじさんばかりで経営層の人ばかりとか
  • スタッフ含めて、みんなぎらついていて接しにくいとか
  • 経営にしか学びが使えないとか

色んな思い込みがあります。

実際には若手の方が30%程度いたり、きさくで話しやすい人ばかりで、経営だけでなく明日から仕事でつかえる学びが数多くあるわけですが、思い込みをなくすのは時間がかかります。

一度生の情報に直接触れ、正確な選球眼でデータを見ることが重要です。

まとめ

今日は顧客視点についてお話しました。顧客視点のレベルは様々かと思いますが、ハルメクのような徹底した顧客視点を持てるように私も日々精進します。

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