2023年3月、引っ越しシーズンで引っ越し価格が高騰しているとニュースがありました。
引っ越しの機能はA地点からB地点にものを壊さずに運ぶことです。とてつもなくサービス精神旺盛な人が荷物を運ばなくとも、特に問題はありません。差別化しづらいサービスと言えます。
差がない分、できるだけ安くしたいという人も多いと思うので、引越しする際に活用できる交渉術について今日は考えます。
私は、生まれが関西出身で実家が事業を行っていることもあり、値切ることは昔から当たり前に行っている、いわゆる文化でした。
引越し業者さんとのやりとりを例にとりながら、交渉する際に押さえておきたいポイントについて3つお伝えします。
交渉の基本
一つ目はZOPAをおさえるです。
ZOPA=”zone of possible agreement”。つまり、合意可能範囲のことです。
引越しは、サービス自体に差別ポイントはあまりないので、価格の合意できる範囲にしぼって考えることが必要です。いくらだったらギリギリOKで、いくらだったら即決かを考えます。
突然ですが、3つ隣の駅に引っ越す場合にいくらまでなら支払えるでしょうか?
この答え、意外と難しいです。
安ければ安いだけ良い、という考えでは、とんちんかんな数字を交渉の場に出してしまい、全く相手にされないか、もしくは逆に損をしてしまう可能性もあります。ZOPAを把握するために、まずは相場を調べます。
相場を知る方法はいくつかありますが、いくつかの業者から相見積もりをとるのが良いです。これは、交渉において基本であると同時に、極意であるとも思います。
大手の業者と個人の業者それぞれで相見積もりをすると、値段の幅が掴めるのでおすすめです。
自分の戦闘力はいくらか?
二つ目は交渉力の強さを知るです。
ZOPAを把握したら、自分の交渉力の強さを考えます。
ここで言う交渉力の強さは選択肢の多さとも言えます。
例えば、これから引っ越す先が、海を遥々越えた離島で、引越しできる業者が一社しかない場合、法外な値段でもそこにお願いするしかありません。ただ、ほとんどの場合は、どの引越し業者でも選び放題です。
つまり、気に入らなければ他でお願いしますと安易に言えちゃうくらい、交渉力はかなり強いことをまず認識しましょう。
相手の視点に立つと交渉のポイントが分かる
三つ目は、相手の視点に立つです。
ここでは具体的に、引越し業者のコスト構造と目の前にいる見積担当者の心情を考えます。
<コスト構造>
まず、コスト構造ですが、引っ越し作業や運転手などの人件費、移動にかかるガソリン・高速利用料などの費用、段ボールなどの備品の費用が大まかに想像できます。
この構造がイメージできると、個人業者が安く引っ越しできるのは1番お金のかかる人件費をギリギリまで下げられるから、とか、長距離移動を小さな業者にお願いすると、移動中も運転手以外の作業員を拘束してしまうので、逆に拠点に人員のいる大手の方が安いかも、とかいろんな仮説が立ちます。
この仮説があると、交渉の際にも有利に進められたりします。例えば、交渉の終盤で、お皿を巻く用の紙を自分で用意する代わりに数千円単位で安くできたりします。意識していないサービスや備品にコストが載っているので不要なものは取り除くのがおすすめです。
<見積もり担当者>
次に見積もり担当者の心情を考えます。
「せっかくきたのに、何もせず帰るわけにもいかない」
「上司から競合のA社にだけは負けるなと言われている」
など、相手もその場で交渉を決めたい焦りがあります。もし時間がある場合は、少し雑談などもしながらなるべく長時間交渉すると、これだけ時間をかけたのに帰るわけにはいかないとサンクコストを味方につけることができます。また、他社の見積もり金額を提示することでそれより下げてくれることも多々あります。
ですので、複数の業者に相見積もりを取る際は、なるべく安い金額を提示してくれそうな業者から順番に見積もりにきてもらうのがおすすめです。
交渉上手な見積もり担当は「今すぐ決めてくれたらこの値段でできる。他社はこれ以上絶対できない」という口説き文句を言ってきますが、そんな時は交渉力の強さを思い出してください。他にもたくさん業者はあるので、必ず相見積もりをした上で決めることをおすすめします。
まとめ
さて、今日は交渉する際に意識していただきたいポイントをお伝えしました。ZOPA(合意可能範囲)を知る、交渉力の把握、相手の視点に立つの三つでした。
ぜひ引っ越しする際は果敢に交渉してみてください。
この能力は引っ越し以外でも、不動産を選ぶ時や、家電量販店で物を買う時など日常の場面でも活用シーンがたくさんありますのでぜひ使ってみてください。