SNSを企業のマーケティングツールとして活用する際に、最低限押さえておきたいポイントについてお伝えします。書店でビジネスの棚に行くと、YouTubeの攻略法やInstagramでバズらせるには?といったタイトルの本がたくさん出回っています。
それらの本の著者はフォロワー○万人といった実績を持った上でその経験談を語ってくれているものが多いです。参考になる部分もたくさんあるのですが、そのアカウントだからこそ効果があるものも少なからずあります。
個人アカウントか企業アカウントかによって特性も異なりますし、アカウントの方向性によって作るべきコンテンツの中身も変わってくるからです。
ただ、慣れないうちはどの部分は真似て、どの部分はオリジナルで考えるべきかを判断するのは難しいです。
私もつい先日、とある会社の役員の方から「自社のFacebookで月に数回、日常風景の投稿をしているが、これで良いのか?」といった質問を受けました。
特に意思決定をしなければならない方でも普段からSNSに触れておらずいまいち感覚を掴みづらいもどかしさを感じました。
私自身もビジネススクールの全てのSNS責任者として日々試行錯誤している身ではあるのですが、抽象化すると3つの視点が重要という気づきがありました。その3つの視点は以下の通りです。順に説明していきます。
- 自社視点
- 顧客視点
- アルゴリズム視点
Whyから始める
まず最初は自社の視点です。
なぜ稼働をかけてまでSNSをするのか?という問いに答える必要があります。
基本的には認知拡大と答えたくなりますが、ここで大切なのは認知拡大のためだけで思考を終わらせないことです。
認知拡大の先には、将来的に自社のお客様になってもらい、あわよくばロイヤルカスタマーになってもらい、さらには他の方にお薦めもして欲しいなどがあります。
そこまで考えたときに、どんな人にどう認知して欲しいかまでを考慮する必要があります。
例えば、私が運営しているビジネススクールのSNSではある程度学ぶことに対して前向きなビジネスパーソン向けに、日々の仕事に活用できるコンテンツを意識しています。
ToC向けにはターゲットを想定しつつ、ToBがターゲットの場合はその企業に加えてその企業の顧客まで想像してコンテンツを考えるのも良いと思います。
うざいと思われないために
二つ目は、顧客視点です。
自社の目的が定まって初めて次のステップ、顧客視点で考えることができます。定めたターゲットの目線に立ってどんなコンテンツを発信するアカウントならフォローして継続して興味を寄せてくれるのかを考えます。
顧客のためになるかつ自社にも興味を持ってもらえるコンテンツを考えるため、自社視点と顧客視点をいったりきたりしながら思考し続ける必要があります。
営業っぽい告知をしたい気持ちもありますが、あまりやり過ぎると顧客は離れていきます。逆に、毎日コンテンツを配信する方が顧客の興味を引きますが、継続的に配信できる自社の仕組みも大切なので、バランス感が重要になります。
と、Voicyで運営しているチャンネルについては各パーソナリティが毎週頭を捻ってなんとかリスナーの皆さんにコンテンツを提供している状態ですので、仕組みを度外視して顧客視点に寄せ過ぎとも言えます笑
アルゴリズムファースト
最後三つ目はアルゴリズム視点です。
最近はどのSNSにおいても、おすすめ機能がついています。特にフォローしていなくても、人気の投稿などは自然と目に入る仕組みになっています。
元々フォロワーが何万人もいるような人気アカウントであれば投稿内容によらず一定の人に見られるため拡散力がありますが、そこに至るまではいかにアルゴリズムに認められ多くの人におすすめされるかが大切になります。
例えば、Twitterは先週の4/1にアルゴリズムの一部を公開しました。文字だけのツイートやURLをつけた投稿は拡散されにくく、逆に画像などをつけたら拡散されやすくするなど細かく設定が決まっているようです。
基本的には自社視点と顧客視点をベースにまずは継続的に配信し続けられるコンテンツを考えますが、アルゴリズム的にも認められるといわゆるバズる投稿の確率も上がります。
おすすめに上がっている投稿はどんな特徴があるか観察してみると面白い発見があるかもしれません。
まとめ
というわけで、企業でSNSを活用する際の超基本でもある自社視点、顧客視点、アルゴリズム視点の3つをお伝えしました。SNS担当者でなくともマーケット感覚を身に着けることは大切です。普段見ているSNSの投稿を見て、三つの視点に分解して観察するとまた違った景色が見えてくるかもしれません。
各SNSを運用する際におすすめの本と動画をいくつか紹介しておきます。
▼TikTok